累風庵閑日録

本と日常の徒然

『中国銅鑼の謎』 C・ブッシュ 論創社

●『中国銅鑼の謎』 C・ブッシュ 論創社 読了。

 不満点がひとつある。自分の心覚えのためにその部分を書いておく。(以下、公開したって伏字ばかりになるので段落ひとつ分非公開)

 ただ、上記のような不満があってなお、全体としてはほぼ満足。なにしろ、黄金時代のミステリをきちんと楽しめるのである。登場人物が偏屈な富豪と経済的に困窮している縁者達、というのがいかにも「らしい」。最終的に明らかになる、犯行当時の現場の状況がいい意味で作り物めいている。シンプルでいながらトリッキーな犯行手段も面白い。

 なるほど、クリストファー・ブッシュは面白い。「完全殺人事件」を再読したくなった。他に積ん読になっている作品が、「100%アリバイ」、「チューダー女王の事件」、別冊宝石に掲載の「首をきられた死体」と、読まれるのを待っている。

●読めば読むほど読みたい本が増えてゆく。