累風庵閑日録

本と日常の徒然

『ルーン・レイクの惨劇』 K・D・ウィップル 論創社

●『ルーン・レイクの惨劇』 K・D・ウィップル 論創社 読了。

 大風呂敷を広げまくる展開が、読んでいて楽しい。のっけから派手な殺人が起き、その後立て続けに、謎のボート乗り、窓から覗く顔、などというネタが提示される。さらにはなんと、湖底に潜む不定形の怪物なんて趣向まで出てくる。しかも事件は不可能犯罪だ。

 探偵役の推理が乏しく、殺人トリックがあっけないってのが残念。読了して深い満足が得られるかというと少々心細いけれども、散りばめられたミステリ風味を楽しめばいい作品だと思う。

●北海道立図書館に、横溝正史関連の文献複写を依頼した。前回依頼した実績からして、複写を入手できるのは五月末か六月頭になりそうだけども。