●『エラリー・クイーンの事件簿2』 E・クイーン 創元推理文庫 読了。
「<生き残りクラブ>の冒険」
シナリオ版は論創海外で既読。だが、犯人とメインのネタ以外の詳細は当然のように忘れているので、多少なりとも新鮮な気分で読めた。(伏字)であるかどうかを示す伏線をあちこちに散りばめ、それらによって容疑者を絞り込んでいくのがいかにもクイーンらしい味わいで、なかなか楽しい。
「殺された百万長者の冒険」
八年前にハヤカワ文庫『大富豪殺人事件』の表題作として読んだ作品の再読。そしてこいつもまた、内容を忘れている。特異な動機とシンプルな手掛かりとが秀逸。一度読んだはずなのに、犯人はちと意外だった。ミステリを読んできちんと驚きを味わえるのだから、忘却力が旺盛なのは悪いことばかりではないのである。
「完全犯罪」
メインのネタは、他のクイーン作品からの流用なのではないだろうか。ぼんやりと以前読んだような気がして、どういうネタかはすぐに分かった。犯人も、ちょっとした描写からなんとなく想像がついた。シンプルな趣向が好みに合ってはいるが、以上の理由で全体のインパクトはさほどでもなかった。
●スマホの移行処理をした。やれやれ。