累風庵閑日録

本と日常の徒然

神の毒の当たり矢

●光文社文庫の『金田一耕助の帰還』から「毒の矢」を読む。平日は朝しか読めないので、八十ページのこの作品に二日かかってしまった。

読んでなるほど。中傷の手紙で金品を要求し、樹の根元に埋めておくよう指示する辺りが「神の矢」で、事件の中心となる趣向が「当たり矢」ということか。確かに犯罪の基本的な骨格は「当たり矢」と同じだが、構成要素の一部が異なっている。相違点に関しては「当たり矢」の方が好みである。ひとつ感心したのは、とある人物のなにげない描写が実は伏線だったこと。相違点も感心した個所も、ネタバレになるのでここには書けない。

それにしても星子のあだ名がなぜボンちゃんになるのだろう。

●さて明日から角川文庫の改稿版「毒の矢」を読み始める。

●仕事帰りに書店に寄り道し、『小説野生時代 7月号』 角川書店を購入。横溝正史のオリジナル版「鬼火」が嬉しいし、杉本画伯のカラー口絵も嬉しい。