累風庵閑日録

本と日常の徒然

粘土の犬

●光文社文庫のミステリアンソロジーを読んでいる。収録作のどれもこれもが、ねっとりとした情念の世界を扱っており、続けて読んでほとほと食傷してしまった。こいつは中断し、明日から別の本を読むことにする。

文学フリマに行く。お目当ての冊子を購入し、顔見知りの出品者のお方にご挨拶してから、会場を離れる。今晩別のイベントがあるが、それまでの七時間ほどを外でうろうろするのは、いくらなんでも時間を持て余す。いったん帰宅しようと思う。

 そうやって二カ所の現場と自宅と、二往復するのならまともにSUICAを使うよりも、JR東日本の「休日お出かけパス」を買った方が多少は割安である。で、そいつを買うのならばせっかくのフリー切符だから、やろうと思えばこのままどこかにかっ飛んでいくことも可能なわけだ。

 それでしばらく思案したけれども、結局帰宅することにした。なにしろ疲れた。会場に満ち満ちる、こっちを見てくれ! 本を手に取ってくれ! 買ってくれ! 読んでくれ! ってな無言の圧に、すっかり気疲れしてしまったのであった。

●帰宅途中に書店に寄って本を買う。
『粘土の犬』 仁木悦子 中公文庫

●この日記をアップした後、夕方からまた出かける。新宿で杉本一文画伯のトークイベントがあるのだ。