累風庵閑日録

本と日常の徒然

『サム・ホーソーンの事件簿 IV』 E・D・ホック 創元推理文庫

●旅のお供として倉敷に持って行った、『サム・ホーソーンの事件簿 IV』 E・D・ホック 創元推理文庫 を、今日になって読了。

「革服の男の謎」がベスト。強烈な謎に意外な真相、きっちり伏線もあって上出来である。「黒いロードスターの謎」は、指摘されてみると実にあからさまな手掛かりがお見事。読んでいる途中は気付けなかったけれども。「青い自転車の謎」と「消えたサラリーマンの謎」は、謎の設定が魅力的。「田舎教会の謎」は手掛かりが秀逸だし、シンプルな真相も好みである。

 いまひとつ真相に感銘を受けない作品もあるにはあったが、きっちり伏線を張るという姿勢が全作に一貫していて、その点は大変に好ましい。

●お願いしていた本が届いた。
『ルーフォック・オルメスの冒険』 カミ 盛林堂ミステリアス文庫