累風庵閑日録

本と日常の徒然

延々読書旅

●JRの「18きっぷ」を使って、延々電車に乗って延々本を読む旅、ってのに出かけてきた。行き先は特にはっきりとした理由もなく、近すぎず遠すぎずの場所として静岡県の清水を選んだ。

 本は論創海外の長編を手に取る。予想以上に順調に読書を進めつつ、十時過ぎに清水に到着。最初から最後まで読書ばかりだとさすがに味気ないので、観光のまねでもしてみようと、対岸の三保まで水上バスに乗って往復する。

 船は面白いし、海風は涼しくて気持ちいいし、富士山はよく見えるしで、実にいい気分である。三保の海岸の売店で、缶ビールを買ってベンチに腰を据え、海を眺めながら戻りの船の時刻までぼんやりする。こういう空白の時間も、しみじみと嬉しい。久しぶりに旅行らしい旅行に出かけたような気がする。

 三保から清水に戻ったのは昼頃。昼飯は港の観光市場食堂で海鮮丼でも、と思っていたけれども、どこもかしこも当然のように行列である。食事ごときで並ぶなんざ私の辞書にはないので、昼飯は駅のコンビニで買ったパンとお握りとで済ます。

 十三時過ぎの電車で帰路に就く。熱海に着く前に、今日はこのくらい読めればいいと思っていた所まで読み進めたので、もう本を閉じることにする。旅行中は飲んでいいルールなのでアルコールとちょっとしたつまみを買い、贅沢をして途中でグリーン車に乗り換え、飲みながらいい気分になる。まったく、今日はいい一日であった。

●二カ所から、お願いしていた本が届いた。
『スーザン・デアの事件簿』 エバーハート ヒラヤマ探偵文庫
『あやかしの裏通り』 P・アルテ 行舟文化

これらの取り組みは素晴らしい。今後も継続して欲しいものである。