●『白仮面』 金来成 論創社 読了。
表題作「白仮面」は、型通りの怪盗ものジュブナイル……と思っていたら全然違った。展開はアクションシーンが多めで、自動車による追跡や楼上での格闘など、見せ場が連続する。そんなスピーディーな物語は、速度を維持したまま予想外の方向に捻れてゆき、唖然とするほど強引な結末に着地する。飛行機ならば墜落寸前の胴体着陸である。
結末も結末だが、中盤のエピソードにもちと驚いた。この手の物語では、警察は名探偵の引き立て役であまり活躍しないものと相場が決まっていてるが、いくらなんでもこれは酷過ぎるだろう。
こんなハチャメチャな作品、嫌いではない。
「黄金窟」は、朝鮮半島からインド洋までの広域を舞台にした、大掛かりな宝探しの冒険小説なのだが、実際の所スカスカである。丁寧な描写なんざかっ飛ばし、細かな段取りもすっ飛ばし、物語は猛スピードで突っ走る。
●昼からジムに行ってひと汗流し、いったん帰宅してから電車に乗って街に出る。今晩は飲み会があるのだ。