●『シャーロック・ホームズに再び愛をこめて』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。
一番気に入ったのは鮎川哲也「蹉跌」である。基本的にはパロディやパスティシュばかりが収録されている本書で、そのどちらでもないのが口が変わって新鮮である。ホームズネタの扱い方も面白い。
他に気に入ったのは、舞い上がったマニアの言動が苦笑ものの清水義範「シャーロック・ホームズの口寄せ」と、あまりにもあっけらかんとした暗号の解法に感心した松尾由美「亀腹同盟」である。妹尾アキ夫「リラの香のする手紙」は、昔々の高校生くらいの頃に読んだらハマったかもしれない。