累風庵閑日録

本と日常の徒然

「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」第八回

●午前中は野暮用。

●午後からは映画「サスペリア」を観てきた。

 そうきたか。予備知識一切なしで観た方がいいと思うので、これ以上何も書かない。自分への心覚えとして、感想を非公開で書いておくけれども。

●夕方から、横溝プロジェクト「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」の第八回をやる。平凡社世界探偵小説全集第七巻、マッカレーの『地下鉄サム』を読むのである。といっても通読はせず、気の向くままに数編読むだけにしておく。これから数ヶ月かけて、月イチのプロジェクトで読んでいこうと思う。リアルタイムの雑誌掲載時に近い状況になるわけだ。でももしかして、来月にはさくっと読了するかもしれない。それもこれも気まぐれ次第。

 今回読んだのは「サムと田舎者」、「サムの不景気」、「サムの双生児」の三編。毎回サムが出くわした問題を、指先の技術を活かして解決するパターンはお決まり。それぞれの問題とは、贋金使いと間違われる、金がないタイミングだがクラドック警部に誕生日プレゼントをあげたい、サムのそっくりさんが不埒な稼ぎをやっているのをこらしめたい、である。特に気に入ったのは「~田舎者」で、クラドックが単なるお間抜けさんではないところを見せるオチがいい。