累風庵閑日録

本と日常の徒然

『ウースター家の掟』 P・G・ウッドハウス 国書刊行会

●『ウースター家の掟』 P・G・ウッドハウス 国書刊行会 読了。

 こいつは傑作。様々な登場人物達の、夢と希望と愛と欲とその他諸々とが複雑に絡まり合った混沌の渦の中に、首までどっぷり浸かってしまった主人公バーティ―。そんな彼があたふたおろおろしつつ事態収拾に駆けずり回る姿を、あははと笑いながら読む作品である。

 同時に、作者の構成力に感心する作品でもある。ちょいちょいくすぐりを入れながら、一難去らずにまた一難といった塩梅に、もつれた事態をまた別のもつれた事態へと巧みに転がしてゆく力量は、驚異的である。

●八月の人間ドックを予約した。気が早いようだが、鼻から挿す胃カメラはあっという間に予約で埋まってしまうので、のんびりしてはいられないのだ。