●『サイモン・アークの事件簿II』 E・D・ホック 創元推理文庫 読了。
評価ポイントは三つ。事件の謎、伏線、真相である。謎の魅力と伏線の妙とで、「死を招く喇叭」が個人的ベスト。吹く者をたちどころに老衰死させる呪いの喇叭、という突拍子もない事件である。「宇宙からの復讐者」も事件が魅力的。元宇宙飛行士達が次々と感電死してゆく。この作品も伏線がしっかりしている。
真相の意外性では「墓場荒らしの悪鬼」、複線を散りばめた書きっぷりに感心したのは「マラバールの禿鷲」と「百羽の鳥を飼う家」。このネタを使うのか、という「過去のない男」は、ただ単に好み。