累風庵閑日録

本と日常の徒然

『パンチとジュディ』 C・ディクスン ハヤカワ文庫

●『パンチとジュディ』 C・ディクスン ハヤカワ文庫 読了。

 ううむ、つまらなくはないが…… 作中にあるように「馬鹿騒ぎと田舎町での道化芝居が先行して」おり、その後になってようやく、関係者への質問が始まる構成が異色。その騒ぎに語り手のケン・ブレイクが翻弄される様子が、中盤過ぎまでのメインストーリーである。どたばたした展開だがコメディ色はあまり感じなかった。これは私の感性の問題かもしれない。

 犯人設定はなるほどと思えるもので、まずまず。伏線は、言われてみればしっかり書いてあったが、これをその時点で気付くのはかなり難しそう。事件の真相とは別に、物語の結末が秀逸。

 読み終えて満足はしている。カーに関しては依怙贔屓しているので、「カーである」というだけでオッケーなのだ。

●車検に出していた車を取りに行ってきた。想定額よりも数千円安く済んだのはいいことであるが、六桁の金額が飛んで行ったのは痛い。