累風庵閑日録

本と日常の徒然

『最後の一壜』 S・エリン ポケミス

●『最後の一壜』 S・エリン ポケミス 読了。

 粒揃いで上質の短編集。捻りと切れ味とで勝負する作品も、人生を感じさせる作品も、人間心理を突き狂気を描く作品も、上々の出来である。収録作中のベストは表題作「最後の一壜」。他に特に気に入ったのは「127番地の雪どけ」、「画商の女」、「壁のむこう側」、「天国の片隅で」、「世代の断絶」、「内輪」、「不可解な理由」といったところ。打率の高いことである。

●お願いしていた本が届いた。
『知られたくなかった男』 C・ウィッティング 論創社