累風庵閑日録

本と日常の徒然

『夢の丘』 A・マッケン 創元推理文庫

●『夢の丘』 A・マッケン 創元推理文庫 読了。

 多感で奇矯な文学青年の、幼年期から青年期までの人生録。主に五種類の描写が、前後関係がてんでんばらばらに入り乱れて綴られる。その五種類とは、青年が文学や人生についてあれこれ考える様子と、ロンドンで見た実際の情景と、それに触発された妄想と、幼年期に田舎で暮らしていたころの回想と、幼年期に弄んでいた妄想と。その筆の運びは自由自在で、時には今読んでいるのが情景描写なのか心象風景なのか判然としない。あるいは現実か妄想なのかはっきりしない。

 どうもこれは、ちゃんとした感想を書けそうにない。読んでいると昔の自分の、幼さ故の愚かさを思い出して身悶えしそうになる。というのが感想。

●書店に寄って本を買う。
エラリー・クイーン創作の秘密』 J・グッドリッチ編 国書刊行会

●お願いしていた本が届いた。
ベッドフォード・ロウの怪事件』 J・S・フレッチャー 論創社
ネロ・ウルフの災難 外出編』 R・スタウト 論創社
『消える魔術師の冒険』 E・クイーン 論創社

 今月刊行のフレッチャーがなかなか届かずやきもきしていたのだが、これでひと安心である。それどころか、今月下旬に刊行予定の本まで送られてきて、これはこれで嬉しい。