●『オルレアンの魔女』 稲羽白菟 二見書房 読了。
メインとなる舞台はカンヌというから、イタリア国境にほど近い場所である。題材はオペラ、起きる事件はちと血液多め。となると自然に、血液多めのホラー映画を連想してしまう。イタリア、バレエ、血液多めとくれば「サスペリア」だ。真相の方向性が実際どうなるかはもちろんここには書かないけれども、なかなかヘヴィーではあった。
読了して一番感心したのは、冒頭シーンの位置づけである。なるほど、こういう意味があるのか。だからこそ、(伏字)ったのだ。
以下、作品の質に関係のない余談。いつも昔の小説ばかり読んでいるので、文中に「スターバックス」だとか「スマホ」なんて単語が出てくるとそれだけで新鮮に感じる。