累風庵閑日録

本と日常の徒然

『マイアミ沖殺人事件』 D・ホイートリー 中央公論社

●『マイアミ沖殺人事件』 D・ホイートリー 中央公論社 読了。

 新刊当時、喜んで買ってすぐに読んだ。読了後は、こんな手がかりで分かるわけないだろ、と釈然としない思いが残ったものだ。それが今になってなぜ再読か。ながらく積ん読だった全四巻の捜査ファイル・ミステリーシリーズをようやく読む気になって、その準備運動みたいなものである。

 真相はシンプルなものなので、四十年(!)経った今でもはっきり覚えている。真相を知って読むと、なんと楽しい本ではないか。容疑者を絞り込む展開も、上記のシンプルな真相も、全体がまるで典型的なのである。こういった型通りの作品は大好きだ。関係者の行動が一覧になって整理されてるのも嬉しい。様々な証拠品が実物で添えてある楽しさはもちろんのこと。

●書店に寄って本を買う。
『空白の起点』 笹沢左保 徳間文庫
『迷路の花嫁』 横溝正史 角川文庫

 『迷路の花嫁』は、次回読書会の課題図書に決まったので買ってきた。