累風庵閑日録

本と日常の徒然

「妖星人R」

光文社文庫江戸川乱歩『怪人と少年探偵』を、年明けくらいまでかけて細切れに読んでいくことにする。今日は「妖星人R」を読んだ。

 シリーズのこれまでの作品では、怪現象はひとつひとつ理論で説明されていた。それがときには机上の空論めいた理論であるにせよ、だ。ところがこの作品では、とうとうそういった説明を放棄してしまっているようだ。(伏字)なんて持ち出したらなんでもありではないか。

 冒頭に登場する怪彗星にも困りもの。いわゆる特殊設定ミステリというわけでもないのに、あっさりと現実を逸脱している。乱歩先生ってばなんと自由なことよ。

●書店に寄って本を買う。
『殺人者を乗せて』 双葉文庫
 鉄道ミステリアンソロジーの第三巻<昭和国鉄編III>だそうで。収録の作家は西村京太郎、宮脇俊三天城一森村誠一である。