累風庵閑日録

本と日常の徒然

『猫のミステリー』 鮎川哲也編 河出文庫

●『猫のミステリー』 鮎川哲也編 河出文庫 読了。

 題名の通り、猫がテーマのミステリアンソロジーである。登場人物の幼稚さと浅薄さとをまざまざと描き出す南部樹未子「愛の記憶」。人が変わってしまった夫に対する妻の不安と恐れとをねっとりと描く角田喜久雄「猫」。それぞれ文章の持つ力には感心するけれども、気に入った作品かというとちと違う。読んでいて疲れる。

 土岐雄三「猫じゃ猫じゃ事件」は、探偵役の造形にも事件の顛末にも漂っている軽妙な味が好ましい。雑誌「新青年」に載った戦前のコントを戦後に書き直したらこうなった、というような。岡沢孝雄「猫の手紙」は、犯人が語り手を務める倒叙もの。事件はかなり陰惨だが、軽薄な語り口のせいで全体は奇妙に明るい。題名が示す、そうくるか、という展開も記憶に残る。

●書店に寄って本を買う。
『西村京太郎の推理世界』 オール讀物責任編集 文藝春秋
 私は西村京太郎のいい読者ではないが、巻末の全著作リストに惹かれて購入。こういう情報は読む読まないにかかわらず手元に持っておきたい。

●auのネットショップでスマホを注文した。今使っている機種は四年半前に買ったもので、最近やけに動きが遅くなっていた。何をやるにしてもいちいち待ちが発生していい加減ストレスが溜まっていたのが、ついにあふれてしまったのである。