累風庵閑日録

本と日常の徒然

『Gストリング殺人事件』 G・R・リー 国書刊行会

●『Gストリング殺人事件』 G・R・リー 国書刊行会 読了。

 真相はどうもとっ散らかっているし、(伏字)することで意外性を演出する手法は私の好みではない。(伏字)という情報を結末近くまで読者に伏せているのも、ずっこけてしまう。個人的読後感としては、読めることに意義のある作品。汎書房版が手元にあるので、国書刊行会版が出なくても読める態勢ではあったのだが、それはまた別の話。

 上記の感想はミステリとしてであって、全体としてつまらないわけではないのだ。劇場に勤める踊り子、裏方、マネージャーだけでなく、出入りの業者や周辺人物まで活き活きと描かれている。八十年前の外国の、バーレスク業界の日常が面白くてすいすい読める。まず読んで面白いってえのは、大事なことである。もう一点、冒頭の炉辺談話にて代作問題に結論を出しているのが勉強になった。