●『ネロ・ウルフの災難 激怒編』 Ｒ・スタウト 論創社 読了。
毎度お馴染みの、軽快な味わいである。物語の展開と会話とキャラクターの面白さを愛でながらさくさく読んでいける。三編収録されている中で一番気に入ったのが「犯人、だれにしようかな」であった。思い切ってシンプルな状況設定で、早い段階で事件の容疑者は三人に絞られる。ミステリクイズを読むようだ。ただ、当然ながら数ページで完結するクイズとは読み応えが違う。きっちりページを確保して、人物も事件とその周辺も書き込まれている。型通りといえば型通りな結末も私好み。
巻末の訳者あとがきによると、今後は未訳長編を紹介してきたいとのこと。期待したい。
●注文していた本が届いた。
『稲妻左近捕物帖 第六巻 蝮屋敷の女』 九鬼紫郎 捕物出版
