2024-11-05 『七人の女探偵』 山前譲編 廣済堂ブルーブックス ●『七人の女探偵』 山前譲編 廣済堂ブルーブックス 読了。 「七人の名探偵シリーズ」の第三巻である。残念ながらコメントを付けたい作品は多くない。小泉喜美子「握りしめたオレンジの謎」は、ダイイングメッセージそのものよりも関連情報の扱いにちょっと感心した。 ミステリの興味とは別の観点で記憶に残るのは、今邑彩「弁当箱は知っている」。某人物の造形が滑稽で哀れで、胸に迫る。個人的ベストは若竹七海「海の底」。真相とそこに現れているテーマと、そしてきびきびした展開とが、なかなかのものである。