●『レイナムパーヴァの災厄』 J・J・コニントン 論創社 読了。
おお、これは面白い。主人公クリントン卿の推測という形で、事件の骨格は割と早い段階で読者に提示される。あくまでも推測でしかないので、結末でどう転ぶか分からないけれども、一応はもっともらしい解釈である。その時点で読者に残された謎はあまりなく、物語はクリントンとその家族までもが巻き込まれるサスペンス小説のような味わいになってゆく。
さて結末に至り、この骨格を作者がどう料理したか。これは意外であった。まさかこんな展開になるとは。(以下、ごっそり伏字)
コニントンを読むのは初めてである。他の既訳本を読むのが俄然楽しみになってきた。