2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧
●定期でお願いしている本が届いた。『不死鳥と鏡』 A・デイヴィッドスン 論創社『平和を愛したスパイ』 D・E・ウェストレイク 論創社 ●今月の総括。買った本:六冊読んだ本:十冊
●「改造社の『ドイル全集』を読む」プロジェクトの第二十八回。今回からジェラールシリーズの続編、「ジエラール旅團長の冒險録」を読み始める。ただ、どうも気分が乗らず、半分の四編だけを読んで打ち止めとする。残りの四編は来月読む。 ジェラールは、回…
●『マローン御難』 C・ライス ポケミス 読了。 冒頭二ページで死体が転がり、そこから物語はフルスピードで走り始める。殺人事件と誘拐事件とが、それぞれ時々刻々に情勢を変えながら複雑にからみ合う。そのうえさらに、主に裏社会陣営が血眼で探す重要書類…
●『川野京輔探偵小説選III』 論創社 読了。 一巻二巻を読んで分かっていたことだが、この作家は残念ながら好みから外れている。コメントしたい作品は多くない。「手くせの悪い夫」は、これほどまでに奇天烈さが突き抜けているといっそ笑える。「二等寝台…
●『ヨーク公階段の謎』 H・ウェイド 論創社 読了。 序盤は、そもそも事件かどうかが問題になる。捜査を進めていくうちに別の問題が浮上し、やがて……と焦点が次々に変わっていって中だるみしない。登場人物に人間味があるのも面白さの一要素である。主人公プ…
●『悪魔の百唇譜』 横溝正史 角川文庫 読了。 特に理由もなく、何度目かの再読。前回読んだのは七年前で、そのときは原形短編「百唇譜」との読み比べをやった。長編化に際して情報を膨らませ深化させる書きっぷりにちょいと感心したものだ。 以下、当時のブ…
●『湖畔 ハムレット』 久生十蘭 講談社文芸文庫 読了。 「久生十蘭作品集」の副題がある。ううむ、これはちょっと。今はどうも気力がないし、この内容この文章についてあれこれ語るのは私の手に余る。ただ一言、凄い、とだけ書いておく。 ●来年から、河出文…
●『闇の展覧会-霧』 K・マッコーリー編 ハヤカワ文庫 読了。 シリーズ三冊目の本書の目玉は、質量ともにスティーヴン・キングの長編「霧」である。キングって過去に何冊か読んでどうもピンとこなかったのだが、この作品はゴキゲンな恐怖小説であった。題名…
●『殺人への扉』 E・デイリー 長崎出版 読了。 特に読みづらくもなく、かといって突出した美点も感じなかった。犯人は、まあそうなるだろうなという人物だし。ただ、結末で見えてくる犯人の凄絶な境遇は記憶に残る。 物語が進展した後で、あの部分が今の状…
●『マン島の黄金』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 拾遺集だから統一感がなくて、おかげで様々な味の作品を読めて楽しい。「崖っぷち」は不気味な秀作。どこがどう不気味なのかは、後半の展開にかかわるので書かない。「クリスマスの冒険」はポア…
●『日本庭園の秘密』 E・クイーン ハヤカワ文庫 読了。 クイーンがロマンティック・サスペンスを書いたらこうなる、といった作品。私の好みではないメロドラマ要素が多分に含まれていて、読んでいてちょいとしんどかった。 某キーパーソンの造形がほとんど…
●『ブルー・ハンマー』 R・マクドナルド ハヤカワ文庫 読了。 リュウ・アーチャーシリーズの最終作。展開は陰鬱で、登場人物達は悩みや問題を抱えていて、味わいはいつものロスマクである。多くの人々が複雑にからみ合った外連味のある真相も、これまたいつ…