2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧
●エドガー・ウォーレスって案外面白い。そのことに気付いたのは、去年『淑女怪盗ジェーンの冒険』を読んだ時である。ウォーレスはもっと読みたい。今回、昭和五年に平凡社から出た世界探偵小説全集第十三巻『鉄槌/反逆者の門』を手に取り、ひとまず「反逆者…
●今日から川越の映画館スカラ座で、「角川映画祭」が開催されるという。今まで数カ所で開催された「角川映画祭」はなんとなく行かなかったのだが、今回はなんとなく出かけてみようと思う。すべては気まぐれである。観るのは朝イチ上映の「犬神家の一族」だ。…
●フィクションが続いたので、この辺りでなんとなく、ノンフィクションを読みたくなった。手持ちには、まさしく今読みたい気分の本がなかったので、図書館を覗く。で、借りてきた 『鉄道旅に行ってきました』 酒井順子×関川夏央×原武史 講談社 を読了。 予想…
●書店に寄って本を買う。『夜の夢見の川』 T・スタージョン、G・K・チェスタトン他 創元推理文庫ナイトランド叢書のダーレスも気になってはいるけど、保留。
●「横溝正史の「不知火捕物双紙」をちゃんと読む」プロジェクト、第四回目は「怪談閨の鴛鴦」を読む。 題名通り、怪談仕立ての猟奇譚。なかなか緩急しっかり整っていて、読ませる作品であった。時は弘化二年、怪談流行のその頃、戯作者柳亭種員の書いた「怪…
●『ウィルソン警視の休日』 G.D.H.&M・コール 論創社 読了。 いかにもクラシックミステリの短編集らしい味わいで、楽しく読めた。ただし、突っ込もうと思えば突っ込みどころはある。作品によってはたとえば、読者に知らされていない手掛かりで解決す…
●午前中は野暮用。●用事から戻る途中、書店に寄って本を買う。『怪盗ニック全仕事4』 E・D・ホック 創元推理文庫●もう一冊気になる本がある。創元推理文庫の久生十蘭『魔都』である。どうやらこの本、新青年の連載そのままってのがウリのようだ。だが巻末…
●『関税品はありませんか?』 F・W・クロフツ ハヤカワ文庫 読了。 終盤の捜査側のやり方がちと残念。地道な足の捜査こそがクロフツの持ち味であって、こういうアプローチはいただけない。本書はクロフツ最後の作品で、このときの年齢が七十七歳だというか…
●『迷宮の扉』 横溝正史 角川文庫 読了。 かつて一度読んだはずだが、内容はまるで覚えちゃいない。実質的に初読で、その内容にちと驚いた。たかがジュブナイル、と軽んじてはいけない作品であった。結末以外は実にストレートなミステリで、大人向け作品と比…
●書店に寄って本を買う。『横溝正史研究6』 戎光祥出版年単位で刊行を待っていた本が、ようやく出た。やれ嬉しや。
●金沢旅行のお供に持って行って少し読み残した、『世界怪談名作集 上』 岡本綺堂編訳 河出文庫 を読了。 収録作は名品揃いなのだろうが、なにしろ原本の刊行が昭和四年である。どれもこれもまあ古風なこと古風なこと。枯淡の境地を綺堂の訳文でじっくり味読…
●この土日で、金沢に行ってきた。文学フリマ開催に合わせて、もしかして旅行オフに発展する可能性もあったが、実際は話が膨らまず。土曜日は午前中一人、午後二人、夜の居酒屋三人という、変則的な道中になってしまった。 泉鏡花記念館、ひがし町茶屋街、近…
●北海道立図書館から、先日の文献複写依頼についての代金請求書が届いた。なんとまあ、わずか一週間で対応していただいた。素晴らしい。前回実績の、請求まで四週間かかったのは例外だったのだろうか。さて、道立図書館は前払い方式なので、まず代金を振り込…
●『雷鳴の中でも』 J・D・カー ハヤカワ文庫 読了。 真相が思いの外地味で、ちと拍子抜け。だが、後期のカーはそんなもんだろうと思い直す。そして、相変わらずのカーらしさが健在。カーらしさとはすなわち、やたらと寸断される会話や、曖昧な仄めかしに終…
●『雪崩連太郎全集』 都筑道夫 出版芸術社 読了。 民俗学趣味と言うのか伝奇趣味と言おうか、日本各地の伝承にまつわる怪奇小説集のつもりで読み始めたが、実際はそれだけではなかった。一番恐ろしいのは人間の心、というタイプの心理サスペンスもあるし、躍…
●気になる本をhontoに登録しておくと、同じく登録しておいたリアル書店に入荷したかどうかが分かるので、便利である。欲しい本が入ったとの情報を得たので、電車に乗って街に出て、買ってきた。『飛鳥高探偵小説選III』 論創社『ソニア・ウェイワー…
●『ルーン・レイクの惨劇』 K・D・ウィップル 論創社 読了。 大風呂敷を広げまくる展開が、読んでいて楽しい。のっけから派手な殺人が起き、その後立て続けに、謎のボート乗り、窓から覗く顔、などというネタが提示される。さらにはなんと、湖底に潜む不定…
●『噂のレコード原盤の秘密』 F・グルーバー 論創社 読了。 ミステリの衣を着たキャラクター小説といった案配。また、巻末の「フランク・グルーバー讃」を読むと、どうやらこれはハードボイルドの近縁種のようで。真相解明部分があまりにもあっさりしていて…
●書店に寄って本を買う。『日本中世に何が起きたか』 網野善彦 角川ソフィア文庫先月のソフィア文庫新刊のうち、なぜかこの本だけが売り切れになっている書店が多かった。ようやく買えた。●八月の人間ドックの予約をした。ずいぶん気が早いようだが、鼻から…
●『殺人計画』 M・コールス 新潮文庫 読了。 数奇な運命によってナチス中枢部に深く関わることになった、英国スパイの物語。主軸となるストーリーがほとんどなく、いかにもスパイ小説らしい短いエピソードが、大きな起伏もなしに積み重なってゆく。また、主…
●この土日で、JR東日本の「週末パス」を使って福島県の相馬まで行ってきた。目的は常磐線の移設復旧区間である。相馬の街に用事はない。戻りの電車を待って三十分で引き返す。●その後日帰り温泉でひとっ風呂浴び、かつての飲み仲間と再会して飲んだくれる。