2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧
●書店に寄って本を買う。『濃霧は危険』 C・ブランド 国書刊行会『シャーロック・ホームズの誤謬』 P・バイヤール 創元ライブラリ ●注文していた本が届いた。『稲妻左近捕物帖 第五巻 隠し小判』 九鬼紫郎 捕物出版 ●今月の総括。買った本:七冊読んだ本:…
●「改造社の『ドイル全集』を読む」プロジェクトの第三十三回。今回は第七巻から「その三人」を読む。 ドイルが、三人の我が子の幼少期の様子を回想してつづった随筆のようなもの。長くても十ページほどのエピソード七編で構成されていて、それぞれにほとん…
●昭和三十五年の東映映画「人形佐七捕物帖 ふり袖屋敷」を観る。若山富三郎演じる人形佐七はやけに顔立ちが濃い。棒術が得意で肩に紋々を背負っているなんざ、ずいぶんと設定を変えたものである。大泉滉が子分の辰五郎を怪演している。題名の元になった振袖…
●横溝正史読書会を開催した。今回は久しぶりに、会場を借りてのリアル開催である。リアル会としては第八回に相当する。場所は埼玉県某所。参加者は司会者を含め九人。ありがたいことに初参加がお一人いらっしゃる。課題図書は『貸しボート十三号』およびその…
●『ポアロとグリーンショアの阿房宮』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 約百二十ページの中編。短編ではないから書きっぷりにゆとりがあるようだ。ページをしっかり確保して、登場人物の造形、行動、台詞が書き込まれている。それらいくつもの描写…
●『法と淑女』 W・コリンズ 臨川書店 読了。 私の夫は殺人者なのか? 主人公ヴァレリアが結婚した男は偽名を名乗っていた。彼はかつて、前妻毒殺の容疑で裁判にかけられた過去があり、そのことを恥じて素性を隠していたのであった。裁判の結果は証拠不十分…
●『七之助捕物帖 第一巻』 納言恭平 捕物出版 読了。 まずはざっと、主人公とその周辺の設定を整理しておく。捕物名人と謳われた父親の後を継いだ七之助だが、道楽三昧に身を持ち崩し、いまだかつて御用らしい御用を勤めたことがない。そんな彼に愛想をつか…
●『チャリングクロス事件』 フレッチャー 平凡社 読了。 昭和四年に刊行された、世界探偵小説全集の第十巻である。冒頭四ページで、主人公の目の前で殺人が起きる。彼は被害者の孫娘に一目惚れしたこともあって、事件の真相解明に奮闘することになる。中盤ま…
●『グレイ・フラノの屍衣』 H・スレッサー ハヤカワ文庫 読了。 なんとも読み味の軽い作品である。複数の事件があってそれなりに起伏はあるものの、謎の追求に対する興味が前面に押し出されているわけではない。それよりも、内側に爆弾を抱えた大プロジェク…
●『グリーン車の子供』 戸板康二 創元推理文庫 読了。 一気に通読するのはしんどかったので、先月から細切れに読んでいた。目の前の状況を錯覚したり相手の言葉を誤解したり、といった心の動きがキーになっている作品が多い。また、普段何気なく行っているち…
●『貸しボート十三号』 横溝正史 角川文庫 読了。 表題作を読んで、これでこの一冊を読み終えた。読書会向けにメモを取るような読み方をするとやけに時間がかかる。この作品は、原形となった短編を発表の翌年に改稿・長編化したものである。大幅な加筆によっ…
●『四日間の不思議』 A・A・ミルン 原書房 読了。 「赤屋敷」はユーモアを漂わせたミステリであったが、こちらは思い切ってコメディに振り切っている。ロジックだの意外性だのといった評価軸とは全く別の次元で、初めから終わりまでずっとゴキゲンに読んで…
●今月末に、横溝正史読書会が開催される。課題図書が表題作になっている角川文庫『貸しボート十三号』を、せっかくだから一通り再読しようと思う。収録されている「堕ちたる天女」は先月読んだ。今日は残る「湖泥」を読むことにする。まずは、九年前に読んだ…
●『死体狂躁曲』 P・ブランチ 国書刊行会 読了。 「奇想天外の本棚」の一冊。いやはや、これはとんでもなく面白い。死体の扱いを巡っててんやわんやが繰り広げられるブラックコメディである。勘違いとすれ違いと偶然とが積み重なって、事態がはちゃめちゃに…
●『皆殺し』 L・ブロック 二見文庫 読了。 題名の通り大量に人が殺される、ハードな犯罪アクション。この辺の描写はもしかして伏線かもしれないから記憶に留めておこうか、なんてことを気にする必要がないので、ぐいぐい読める。物語のキーとなる伏線がひと…