2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧
●創元推理文庫の中村雅楽探偵全集第一巻を、半分まで読んで中断。残りは来月読む。これから再来年までかけて、全五巻をゆっくり読んでいこうと思う。 ●ほぼ終日に渡って、昨日の読書会の録音を文字起こし。もちろん実作業時間は丸一日ではない。集中力が続か…
●第十一回オンライン横溝正史読書会を開催した。参加者は司会者を含め七名。課題図書は『髑髏検校』で、昭和十四年に雑誌『奇譚』に連載された作品である。併せて参考文献として、雑誌『小説倶楽部』の昭和二十八年十月号に掲載されたダイジェスト版も参照す…
●今週末にオンライン横溝正史読書会が開催されるので、課題図書の「髑髏検校」を読んだ。スピーディーで波乱万丈で面白いんだけど、単独で語るのはちと難しい。展開は原典の「吸血鬼ドラキュラ」に負うところが大きいし、正史の換骨奪胎の腕前を鑑賞するのも…
●「改造社の『ドイル全集』を読む」プロジェクトの第二十九回。今回はジェラールシリーズの続編「ジエラール旅團長の冒險録」から、後半の四編を読む。結局最後まで、ジェラールのくど過ぎる性格設定に馴染めなかった。やれやれ、しんどいことよ。 四編の中…
●『幽霊の2/3』 H・マクロイ 創元推理文庫 読了。 事件そのものはパーティーでの毒殺で、よくあるといえばよくある趣向である。だが、途中で作品の真のテーマが見えてくると俄然面白くなった。具体的なことは書かないが、実はこの作品はこういう話なのだ…
●『サムソンの犯罪』 鮎川哲也 徳間文庫 読了。 三番館シリーズの二冊目である。なにしろ鮎川哲也なので、どうしても事前の期待値が高くなる。期待が高すぎると、実際に読んでみてううむ……となる作品がちょいちょいある。困ったことである。特に、犯罪計画の…
●『アリバイ』 A・クリスティー原作/M・モートン脚本 原書房 読了。 国書刊行会から出始めた奇想天外の本棚のシリーズは、できるだけ早いタイミングで読んでいこうと思う。そこでまずは準備として、以前原書房から出て三巻で途絶した、初代奇想天外の本棚…
●『怪盗ニック全仕事6』 E・D・ホック 創元推理文庫 読了。 相変わらずこのシリーズは伏線沢山で嬉しい。特に「浴室の体重計を盗め」、「空っぽのペイント缶を盗め」、「最高においしいアップル・パイを盗め」の三編は、伏線そのものの意外さが上々。たと…
●『平和を愛したスパイ』 D・E・ウェストレイク 論創社 読了。 平和主義団体のリーダーが過激派テロリストに間違われたことから、テロ組織への潜入捜査をする羽目に追い込まれる。シリアスにもなりえる題材だが、実際はゴキゲンなクライム・コメディである…
●『不死鳥と鏡』 A・デイヴィッドスン 論創社 読了。 魔法やモンスターが実在する架空の中世ヨーロッパ世界を舞台に、魔術師ヴァージルの冒険を描く。巻末解説によれば作者が本当に書きたかった作品だそうで。実際の歴史や神話の題材を大量に盛り込んで、そ…
●『子不語の夢』 浜田雄介編 皓星社 読了。 副題は「江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集」である。マニアさんや研究者にとっては貴重な情報の宝庫なのだろう。私は上辺をなぞるだけの乱歩ファンなので、するすると読み進めた。それでも眼をページの上にただ滑ら…
●『水平線の男』 H・ユースティス 創元推理文庫 読了。 どうやら創元推理文庫版にはかなり大きな誤訳があるらしい。別冊宝石の「地平線の男」は大丈夫らしいが。いつもなら事前情報を極力遮断して臨むのだが、今回は例外としてその辺を検索してみた。で、誤…
●『続・相良一平捕物帳』 森達二郎 春陽文庫 読了。 なんともそつなく書かれた通俗娯楽時代劇。主人公は同心の相良一平で、目明かしの太鼓松とその手下合点庄次とが子分格である。馴染みの川魚料理屋菊水の、看板娘お利江が相良一平にすっかりホの字にレの字…
●『カマフォード村の哀惜』 E・ピーターズ 長崎出版 読了。 殺人をメインの題材にしているから、ミステリではある。だが、作者が書きたかったのはそれだけではないようだ。作中で扱われているのは、少年の成長、親子の絆、舞台となった村の住人達の様々な想…
●多くの横溝正史ファンのご協力をいただいて、同人誌『偏愛横溝短編を語ろう』をまとめた。八人の執筆者が横溝正史の短編小説のなかからいくつかを採り上げ、その魅力を語る本である。採用基準は一般的な評価としての傑作かどうかに関係なく、ただただ自分が…