累風庵閑日録

本と日常の徒然

『地下鉄伸公』 三木蒐一 東成社

●『地下鉄伸公』 三木蒐一 東成社 読了。 先日まとまめて読んだ地下鉄サムの流れで、積ん読だったこの本を手に取ってみた。昭和二十七年にユーモア小説全集の第十八巻として刊行されたもので、七編が収録されている。作者の発想のきっかけは地下鉄サムだった…

『戦前探偵小説四人衆』 論創社

●『戦前探偵小説四人衆』 論創社 読了。 一冊にまとめるには作品量が足りない作家を四人集めて、一冊に仕立てたという好企画。その四人とは、羽志主水、水上呂理、星田三平、米田三星である。 最も気に入ったのが、今まで「監獄部屋」しか知らなかった羽志主…

『ソーンダイク博士』 フリーマン 改造社

●『ソーンダイク博士』 フリーマン 改造社 読了。 世界大衆文学全集の第六十巻である。ストーリーの起伏も真相の意外性もさほどではない。興味の中心は、博士が何に気付いてどういう検証実験をしたかにある。これがどうも、やけに面白い。結末に至って初めて…

『大倉燁子探偵小説選』 論創社

●『大倉燁子探偵小説選』 論創社 読了。 手に取ったのは先週の日曜だが、内容に乗れずに中断して別の本に寄り道して、今日になってどうにか読了。とうとう最後まで気分は醒めたままであった。詳しくは書かないが、作者のスタイルは私の好みから遠く隔たって…

『おしゃべり時計の秘密』 F・グルーバー 論創社

●『おしゃべり時計の秘密』 F・グルーバー 論創社 読了。 相変わらず素寒貧なジョニーとサム。価値がありそうでなさそうで何か裏がありそうな「おしゃべり時計」を巡る騒動に、半ば自主的に巻き込まれてゆく。事件に金策に懸命に駆けずり回るジョニーと、ぶ…

『奇術探偵曾我佳城全集』 泡坂妻夫 講談社

●『奇術探偵曾我佳城全集』 泡坂妻夫 講談社 読了。 「白いハンカチーフ」と「バースデイロープ」は、あれこもれも伏線だったのか、と驚く。「消える銃弾」は、何故(伏字)たのか、という視点が良い。「ジグザグ」は、犯行の経緯にはあまり感銘を受けなかっ…

鮎川哲也探偵小説選

●お願いしている定期購読の本が届いた。 『鮎川哲也探偵小説選II』 論創社 『渡辺啓助探偵小説選I』 論創社 鮎川哲也が特に嬉しい。

すべては死にゆく

●お願いしていた本が届いた。 『すべては死にゆく』 L・ブロック 二見書房 今年になって初の古本買いである。 ●日常の買い物がてら書店にも寄って本を買う。 『のりもの勝席ガイド 2019-2020』 イカロス出版 今年もこのムックの刊行時季になった。…

『死者との誓い』 L・ブロック 二見文庫

●『死者との誓い』 L・ブロック 二見文庫 読了。 マット・スカダーシリーズの第十一作である。まず、事件が面白い。通り魔的な射殺事件で、容疑者はすぐに逮捕された。解決があまりに早く単純だったので、警察は捜査の常道である被害者の身辺調査をやってい…

金時計

●お願いしていた本が届いた。 『金時計』 P・アルテ 行舟文化 素晴らしい。おまけの小冊子「花売りの少女」も付いている。 ●今月の総括。 買った本:十二冊 読んだ本:十冊 買う方は、文フリと予定外の本とで数が増えてしまった。読む方は、細切れのつまみ…

「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」第十二回

●昨日は、今日から新たな本を読み始めるつもりであったが、今朝になって気が変わった。横溝プロジェクト「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」の第十二回をやることにする。 ◆「乗合馬車」 ジョセフ・ハーゲシャイマア (昭和八年『新青年増刊』) 嫌な話。近所…

明日からは別の本

●泡坂妻夫の曾我佳城を半分まで。こいつを中断して、明日からは別の本を手に取る。フリーマンも中途半端だし、本のつまみ食いが多くなってきた。でも、そういう気分なんだからしょうがない。 ●書店に寄って本を買う。 『ミステリマガジン 7月号』 早川書房 …

「赤い拇指紋」フリーマン

●午前中は野暮用。帰宅して昼寝してから、午後は本を読む。改造社の世界大衆文学全集第六十巻『ソーンダイク博士』から、収録の長編「赤い拇指紋」を読了。 どうもフリーマン殿、捻りだとか意外性だとか、そういう方面には関心が薄いようで。その昔創元推理…

『銀の墓碑銘』 M・スチュアート 論創社

●『銀の墓碑銘』 M・スチュアート 論創社 読了。 まず、オープニングが魅力的。私には何も起こらない、と思っていた主人公に突如降りかかった、奇妙な人違い。その出来事をきっかけに、彼女は自ら冒険に巻き込まれてゆく。まるでクリスティーの冒険スリラー…

『道化の町』 J・パウエル 河出書房新社

●『道化の町』 J・パウエル 河出書房新社 読了。 なんとも不思議な短編集であった。プードルは人間と会話し、オランウータンは王として君臨する。金の卵を産む鶏はガラスの塔から盗まれ、道化師はパイで殺される。 いろんなタイプの作品が収録されているの…

思考機械

●書店に行って、取り寄せを依頼していた本を受け取ってくる。 『思考機械 完全版 第1巻』 J・フットレル 作品社 久しぶりに、ちょっと大きな買い物をした気分だ。

『宮原龍雄探偵小説選』 論創社

●『宮原龍雄探偵小説選』 論創社 読了。 収録作には、トリックのアイデアで勝負する作品が多い。終盤で種明かしだけが投げ出すように提示され、伏線も解明に至る筋道もあまり書かれていないそんな作品は、どうも胸に響かない。(以下、もう少し強い表現でい…

『象は忘れない』 A・クリスティー クリスティー文庫

●『象は忘れない』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 中心となるネタには、割と簡単に気付くことができた。したがって驚きはない。結末で書かれる、真相解明に至る筋道は(伏字)というタイプで、どうも好みではない。ミステリ的興趣は、残念ながら…

『麺’sミステリー倶楽部』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●『麺’sミステリー倶楽部』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。 ちょいと低調であった。人情噺は嫌いだし、現代社会の闇をえぐるような陰湿な話も読まなくていい。そんなのは現実だけで沢山である。ユーモアミステリは、そのユーモアの部分に乗れな…

『ずれた銃声』 D・M・ディズニー 論創社

●『ずれた銃声』 D・M・ディズニー 論創社 読了。 平凡な老婦人が射殺された。動機は見当たらず、めぼしい容疑者も、凶器の銃も、銃弾さえも見つからない。捜査が膠着する中、次第にある一族の数十年に渡る物語が見えてくる。 どうやらこの作家、外連味や…

『謎のギャラリー -名作館 本館-』北村薫 新潮文庫

●『謎のギャラリー -名作館 本館-』北村薫 新潮文庫 読了。 文学に縁遠い人生を歩んできたので、この本を読むと彼我の情報量のあまりの差に呆然とする。文学どころか、私はミステリもあまり読んでいない、と思ってしまう。 様々な小説を展示した空想上の美…

『サイモン・アークの事件簿I』 E・D・ホック 創元推理文庫

●『サイモン・アークの事件簿I』 E・D・ホック 創元推理文庫 読了。 サム・ホーソーンのシリーズでは、不可能興味と事件に対する興味とが、ほぼ一体となっていた。ところがこのサイモン・アークのシリーズでは、ひとつの作品中に複数の焦点がある場合が少…

『水谷準探偵小説選』 論創社

●『水谷準探偵小説選』 論創社 読了。 瓢庵先生捕物帖シリーズのうち、人形佐七がゲスト出演する作品を網羅したという編集方針が嬉しい。内容自体もミステリ趣味が濃く、読んで楽しい良質の作品集であった。 「銀杏屋敷」 冒頭の奇怪な謎に意外な動機。これ…

『幻のテン・カウント』 鮎川哲也編 講談社文庫

●『幻のテン・カウント』 鮎川哲也編 講談社文庫 読了。 収録作中のベストは飛鳥高「犠牲者」であった。伏線も、分析的推理も、真相の絵柄も秀逸。仁科透「Fタンク殺人事件」は犯人の性格設定が毒々しいが、それよりもおぞましいのは(伏字)の造形である。…

今月の総括

●今月の総括。買った本:八冊読んだ本:十一冊読んだ本のうちには、あっという間に読める児童書が一冊混じっている。 ●遅くとも年内には、泡坂妻夫『曾我佳城全集』の単行本を読もうと思う。そのつもりで部屋を探したけど、案の定見つからない。さあて、どこ…

『必須の疑念』 C・ウィルソン 論創社

●『必須の疑念』 C・ウィルソン 論創社 読了。 かつての教え子は、連続殺人鬼なのか。主人公の哲学者ツヴァイクの、恐ろしい疑念である。証拠も確信もない推定殺人者と、命を狙われているかもしれない想定被害者とを、ツヴァイク達が追跡する。シリアスなサ…

悪魔館案内記

●午前中は野暮用。午後からジム。今日は調子が悪いし気分も乗らないしで、さっさと切り上げる。帰宅して昼寝してから、本を読む。 ●お願いしていた本が届いた。 『悪魔館案内記』 渡辺啓助 東都我刊我書房

ずれた銃声

●お願いしていた本が届いた。 『ずれた銃声』 D・M・ディズニー 論創社 『銀の墓碑銘』 M・スチュアート 論創社 ●上記二冊の他に、今後届くはずの本がある。ネット書店に注文している本が一冊、先行予約をしている同人誌が一冊、明日刊行予定の私家版冊子…

『名探偵シャーロック・ホームズボン2 ゆうれい屋敷のひみつ』 三田村信行 PHP研究所

●『名探偵シャーロック・ホームズボン2 ゆうれい屋敷のひみつ』 三田村信行 PHP研究所 読了。 頭が小説疲れを起こしてしまった。大阪圭吉のしんどいしんどい時局小説、文字がみっしり詰まった押川春浪の明治冒険小説、そして戦前の翻訳本と続けて読んだ…

『地下鉄サム』 マツカーレイ 平凡社

●『地下鉄サム』 マツカーレイ(表記ママ) 平凡社 読了。 世界探偵小説全集の第七巻である。横溝プロジェクト「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」の第十一回として、今日は残っていた同時収録のビーストン三編を読む。一月から細切れに取り組んでいたのを、よ…