累風庵閑日録

本と日常の徒然

四つの福音書の物語

●電車に乗って東京に出る。まずは書店に寄って本を買う。 『精神病院の殺人』 J・ラティマー 論創社 『四つの福音書の物語』 F・W・クロフツ 論創社 すでにあちこちで言われていることだけれども、宗教書をミステリのレーベルで出すってのは、論創社もな…

成城大学公開シンポジウム

●成城大学で、「成城を住まう 都市、住宅、近代」と題する公開シンポジウムを聴講してきた。目的は、テーマのひとつ「探偵小説のトポロジー 横溝正史と成城のまち」である。成城の街と正史の創作との関連を論ずる内容だが、詳細は省略。時間配分が三十分しか…

『この湖にボート禁止』 G・トゥリーズ 福武文庫

●『この湖にボート禁止』 G・トゥリーズ 福武文庫 読了。 相続した湖畔の家に引っ越してきた、主人公の少年と妹と母親の三人家族。受け継いだ品に含まれていたボートを湖に漕ぎ出したところ、後になって近所の地主に怒鳴り込まれた。湖にボートを浮かべるの…

『森下雨村探偵小説選』 論創社

●『森下雨村探偵小説選』 論創社 読了。 短めの長編二編と評論・随筆という構成である。 「呪の仮面」 犯罪組織との闘争を描くスリラー。どこかで読んだようなエピソードの連続で、こいつはちと厳しい。 「丹那殺人事件」 一歩一歩着実に捜査を進める様子を…

『二輪馬車の秘密』 F・ヒューム 新潮文庫

●『二輪馬車の秘密』 F・ヒューム 新潮文庫 読了。 なにしろ十九世紀の小説である。大甘で冗長なメロドラマが延々続くものと覚悟して読み始めたのだが、全然そんなことはなかった。予想外に面白い。 舞台はオーストラリア、メルボルン。二輪馬車内で発生し…

半分までで中断

●論創ミステリ叢書を半分まで読む。ちょっとしんどくなったので、中断して明日からは別の本を手に取ることにする。 ●またひとつ歳をとってしまった……

死美人

●書店に寄って本を買う。 『死美人』 黒岩涙香 河出書房新社 『木乃伊屋敷の秘密』 山本周五郎 新潮文庫 黒岩涙香は、長いこと欠落したままになっていた部分の補填が嬉しい。これでいつでも、旺文社文庫の『死美人』を読める。山本周五郎は、「湖底の秘密」…

『十三の謎と十三人の被告』 G・シムノン 論創社

●『十三の謎と十三人の被告』 G・シムノン 論創社 読了。 各編が十ページほどであまりに短く、あまりにあっけない。違和感を覚える記述があっても、追加の情報や説明がないまま終わってしまう。そういう作品にいくつか出くわすと、消化不良になって気持ちが…

真珠郎

●書店に寄って本を買う。 『真珠郎』 横溝正史 柏書房 『魔術』 芥川龍之介 彩流社 『小説幻冬 12月号』 幻冬舎由利・三津木探偵小説集成全四巻が、いよいよ刊行開始である。素晴らしい。『小説幻冬』は、小松亜由美さんの短編第四作が掲載されている。 ●…

「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」第六回

●横溝プロジェクト「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」の第六回をやる。 ◆「サムの真心」 J・マッカレー(昭和三年『新青年』) 地下鉄サムは大道演説に心を打たれ、真心を発揮する機会を探し始めた。そんな折、サムの縄張りである地下鉄で、何物かが不埒にも…

『探偵小説の風景 トラフィック・コレクション(下)』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●西日本旅行に持って行ってちょっと読み残した、『探偵小説の風景 トラフィック・コレクション(下)』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 を読了。 夢野久作「空を飛ぶパラソル」 時代が時代ならハードボイルドの枠に入れられそうな、事件の謎に挑む新聞記…

濃い週末

●三連休を利用して、西日本に旅行に行ってきた。旅行帰りで疲れているので、今日の日記は簡単に書くだけにしておく。 ●初日金曜から土曜早朝にかけては、山口県南西部をちょっとうろうろ。山口での目的を達して後、新山口から新幹線に乗って岡山へ。土曜の昼…

『横溝正史探偵小説選I』 論創社

●『横溝正史探偵小説選I』 論創社 を、ようやく読んだ。 横溝正史は依怙贔屓しているので、内容を問わず収録作品全部オッケーである。本書の刊行までは単行本未収録だったレア作品の数々が、こうやって本の形になって読めるのだ。それだけでもう、素晴らし…

活発な活動

●お願いしていた冊子が届いた。 『ROM No.s-002』 『Re-ClaM Vol.1』 独自の活動がいろいろ活発で、素晴らしいことである。 ●某所から私家版刊行のお知らせをいただく。独自の活動がいろいろ活発で、素晴らしいことである。 ●そして今度の文フリで…

『名探偵ルパン』 M・ルブラン 論創社

●『名探偵ルパン』 M・ルブラン 論創社 読了。 訳者保篠龍緒が、ルブランの非ルパン作品を勝手にルパンものに仕立てたという、あまりと言えばあまりに自由すぎる作品集。訳者/創作者の姿勢の是非はともかく、こんな珍品を読めるということが、本書のまず第…

『ウォンドルズ・パーヴァの謎』 G・ミッチェル 河出書房新社

●朝から病院。三ヶ月に一度の定期通院である。といっても、薬の処方を出してもらって次回の日取りを決めるだけなので、お医者殿との会話は一分ほどで終わる。 ●『ウォンドルズ・パーヴァの謎』 G・ミッチェル 河出書房新社 読了。 その物語は、緩急自在。肉…

七之助捕物帖

●書店に寄って本を買う。 『不条理な殺人』 P・マガー 創元推理文庫 『方壺園』 陳舜臣 ちくま文庫 ●三省堂オンデマンドに注文していた本が届いた。 『七之助捕物帖 第一巻』 納言恭平 捕物出版 捕物出版というのは、対象を捕物小説に特化し刊行形態をオン…

『風間光枝探偵日記』 論創社

●『風間光枝探偵日記』 木々高太郎/海野十三/大下宇陀児 論創社 読了。 表題シリーズは三人の作家の持ち回りで書かれているから、作風が統一されておらずとっ散らかっている。分量はどれも二十ページほどで、展開があっけなく結末はそっけなく、まるで梗概…

『死は我が隣人』 C・デクスター ハヤカワ文庫

●『死は我が隣人』 C・デクスター ハヤカワ文庫 読了。 五百ページ以上あるそこそこ大部の作品だが、さほど長さを感じず中だるみもせずに、面白く読めた。要因はいくつかある。最大のポイントは、訳文が性に合っていたこと。途中でひっかからずすいすいと読…

『サム・ホーソーンの事件簿VI』 E・D・ホック 創元推理文庫

●『サム・ホーソーンの事件簿VI』 E・D・ホック 創元推理文庫 読了。 収録のどの作品も伏線沢山だし解決はロジカルだし、このシリーズは本当に安心安定の面白さである。気に入った作品はたとえば、犯人の行動の理由が面白い「旅人の話の謎」、事件の絵柄…

都会の怪獣

●お願いしていた本が届いた。 『都会の怪獣』 楠田匡介 湘南探偵倶楽部 素晴らしい。

名探偵ルパン

●書店に寄って本を買う。 『川野京輔探偵小説選II』 論創社 『十三の謎と十三人の被告』 G・シムノン 論創社 『名探偵ルパン』 M・ルブラン 論創社 ●今読んでいる本が、どうもつまらない。中断して、明日からは別の本を読むことにする。 ●今あるプリンタ…

『エドワード・D・ホックのシャーロック・ホームズ・ストーリーズ』 E・D・ホック 原書房

●『エドワード・D・ホックのシャーロック・ホームズ・ストーリーズ』 E・D・ホック 原書房 読了。 短編の名手ホックの才気がみなぎる好作品集である。聖典がらみの小ネタと史実に関連するくすぐりとが散りばめられているし、きっちり伏線を仕込んでロジカ…

被害者を捜せ!

●お願いしていた本が届いた。『被害者を捜せ!』 P・マガー 創元推理文庫先日の日記に書いた誤発送があって宙ぶらりんだったのが、ようやくこれで創元推理文庫のパット・マガーが揃った。やれやれ。 ●角川横溝文庫のダブりをブックオフで拾うのを別にすれば…

『延原謙探偵小説選』 論創社

●『延原謙探偵小説選』 論創社 読了。 全般的に、小粒で素朴。巻末解題では、作者は翻訳が本業であって創作は余技的スタンスであることが示唆されている。なるほどそれも頷ける。 「銀の小函」は真相の捻りが面白いし、手がかりに基づく推理の要素もあるしで…

今月の総括

●今月の総括。買った本:十二冊読んだ本:十冊私家版と古本とに手を出したので、購入数が増えてしまった。

殺人仮装行列

●書店に寄って本を買う。 『殺人仮装行列』 山本周五郎 新潮文庫 作品社の全集が出た後に発見された作品が五編含まれているというから、これは買わないといけない。 ●国会図書館から、お願いしていたコピーが届いた。 「サムの真心」 マッカレー 「サムの禁…

『ダイアルAを回せ』 J・リッチー 河出書房新社

●『ダイアルAを回せ』 J・リッチー 河出書房新社 読了。 粒揃いの傑作短編集である。その面白さは、捻りとオチと切れ味にある。こう書くとなんともありきたりな表現だが、本書にはこれらの要素が実に高い水準で満ち満ちている。 カーデュラものが三編、タ…

探偵小説の黄金時代

●お願いしていた本が届いた。 『探偵小説の黄金時代』 M・エドワーズ 国書刊行会 特典のバークリー小冊子が嬉しい。このためにこそ、盛林堂さんに注文したのだ。

『アリントン邸の怪事件』 M・イネス 論創社

●『アリントン邸の怪事件』 M・イネス 論創社 読了。 なんともはや、悠々とした物語である。情景も人物の外見も作中で行われる催しの様子も、丁寧に描写が積み重ねられる。登場人物同士が会話を交わす場面も、実にゆったりとしたもので。ある発言があれば、…