累風庵閑日録

本と日常の徒然

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

濃すぎて中断

●本を読む気力がどうにか戻り、昨日今日と山田風太郎を読んでいる。それにしても山風は濃い。あまりにも濃い。ここで一気に通読するとまた疲れてしまいそうなので、いったん中断して、明日は別の本を手に取る。集中力や気力が衰えていると、このざまである。…

広重

●サントリー美術館に、「広重ビビッド」と題する浮世絵の展示を観に行ってきた。歌川広重の風景版画シリーズ「名所江戸百景」と「六十余州名所図会」とを中心にした内容である。展示品のほとんどが個人蔵だが、なんとこの蒐集品、近年までその存在が一般に知…

休止中

●読書休止中。 ●ゴールデンウィーク中には、読書欲も復活するだろう。

「船幽霊」の初出

●読み始めた山田風太郎に、ちっとも気分が乗ってこない。先日の『殺意が芽生えるとき』がしんどかったので、どうやら頭が読書疲れをしているようだ。百ページ読んで中断。 ●何気なく横溝正史関連のデータを眺めていたら、人形佐七の「舟幽霊」に関する記述に…

脚本「不知火奉行」

●書店に寄ってDVD『本陣殺人事件』を買ってきた。鑑賞は、皆でタイミングを合わせて観るネット上のイベントまでしばらくおあずけである。 ●「不知火奉行」の脚本を読んだ。中盤までは割と原作に忠実だが、それ以降話がふくらんでおり、ミステリ的な趣向も…

『殺意が芽生えるとき』 L・ダンカン 論創社

●『殺意が芽生えるとき』 L・ダンカン 論創社 読了。 読み始めてすぐに分かった。これは好みじゃないタイプの作品だ。内容は、過去と現在のメロドラマが二割、周囲の人間に対する主人公の不平不満が二割、主人公があれこれ思い悩む描写が三割、そして事件の…

大河内常平探偵小説選

●hontoに注文していた本が届いた。『大河内常平探偵小説選I』 論創社 ところでふと、この本に帯が付いていないことに気づいた。hontoに問い合わせようと思い、まずヘルプを確認すると以下の記述が。帯は販促品扱いとなり、当社では帯つきでの出荷…

いろは政談

●午前中は野暮用。 ●午後から「横溝正史の『鷺十郎捕物帳』をちゃんと読む」プロジェクトに取り組む。今回は第四話「いろは政談」である。 「いろは七人組」という無頼侍の集団は、乱暴狼藉を常として江戸の街で悪名高い。そのメンバーが次々に殺されていく…

『顔』 E・クイーン ポケミス

●『顔』 E・クイーン ポケミス 読了。 序盤は低調。一見あからさまな犯人と、一見明白な動機、そして短編ネタにしかならなさそうなダイイングメッセージに、ページをめくる手も止まりがち。だが、作家クイーンのブランドを頼りに我慢して読み進める。この先…

比較

●ようやく、「迷路の花嫁」初出版と文庫版との比較を終えた。これを材料に某所で原稿を書くなら、全体の概要と、ちょっとひとネタ、それに小ネタをひとつ、というくらいの内容になりそう。埋め草コラムにはなるだろう。 ●最近は台所の洗い物に、給湯器のお湯…

『大密室』 佐野洋 ハルキ文庫

●『大密室』 佐野洋 ハルキ文庫 読了。 副題が「佐野洋密室ミステリー傑作集」である。各編毎に様々に趣向を変えており、単純な密室の謎ばかりでないのが感心する。様々な趣向とは例えば、密室ネタと思わせておいて(伏字)の話だったり、殺人のハウダニット…

『ディープエンド』 F・ブラウン 論創社

●『ディープエンド』 F・ブラウン 論創社 読了。 主人公は新聞記者だが、味わいは私立探偵小説である。こういうタイプは久しぶりなので、それだけで新鮮。序盤は主人公の違和感の内容が読者に提示されず、機械的にページをめくるだけだったが、中盤で物語に…

ミイラの花嫁

●昨日の読書会の模様を整理する。 ●先日買っておいたDVD『ミイラの花嫁』を観る。横溝ドラマ的なエッセンスを抽出して、どろどろに煮詰めて濃縮ペーストに仕立てました、ってな作品。途中から原作がどっかに行ってしまう自由奔放な展開になるのだが、最終…

第二回横溝正史読書会

●午前中は読み残していた「梅若水揚帳」を読んで、『人形佐七捕物帳傑作選』 横溝正史 角川文庫 を読了。 ●午後からは読書会である。都内某所の駅前に総勢六名が集合し、会場までバスで移動。とある公共施設の和室に落ち着き、さて、読書会の始まりである。…

課題図書の続き

●課題図書人形佐七捕物帳の続き。 「お玉が池」ざっと見た限りでは旧テキストとの違いは見つからなかった。 「舟幽霊」この作品が本書の個人的メインである。原型の黒門町伝七版を読むのが、ひとつの宿題になっている。ついでに、佐七版旧テキストである金鈴…

課題図書

●読書会の課題図書、角川文庫の人形佐七を読んでいる。気付いた点に付箋を挟みながらの作業である。先日(3/25)の日記に書いたバージョン違い調査は、残念ながら時間が足りず、ちゃんと手を付けることができなかった。だが旧テキストをごく簡単にざっと眺め…

一時中断

●昨日今日と佐野洋の短編集を読んでいる。なかなか快調。が、ここで一時中断する。今週末の第二回横溝正史読書会に向けて、明日からは課題図書の人形佐七を読むのだ。 ●今年の人間ドックの予約をした。受診日は八月なのでずいぶん気の早い話だが、胃部検診で…

ミイラの花嫁

●書店に寄って、DVD『ミイラの花嫁』を買ってきた。問題は、これを観る時間をいつ確保できるか、だ。先日買った『不知火奉行』もまだ観ていないのに。

『ユークリッジの商売道』 P・G・ウッドハウス 文藝春秋

●『ユークリッジの商売道』 P・G・ウッドハウス 文藝春秋 読了。 息をするように嘘を吐いて周囲の人間を振り回す真正ダメ人間のユークリッジと、彼に何度騙されても裏切られても経験から何も学ばない愚か者で、語り手でもある友人コーコランの物語。こうい…

木乃伊の花嫁

●朝日新聞出版から、『横溝正史&金田一耕助シリーズDVDコレクション』が刊行中である。基本的に映像には手を出さないことにしているのだが、次回発売の第三十一号『ミイラの花嫁』は、例外的に買ってみようと思う。二月に行った伊豆旅行でその話になり、…

出光美術館

●出光美術館に、「やまと絵の四季」と題する展示を観に行ってきた。今回の目玉は、国宝の「伴大納言絵巻」である。近くでまじまじ観ると、皺だの剥落だので傷みが目立つ部分もあるが、残っている領域は色彩が鮮やか。様々な人物の表情、仕種、着物の柄などが…

緯度殺人事件

●hontoに注文していた本が届いた。『二人のウィリング』 H・マクロイ ちくま文庫『緯度殺人事件』 R・キング 論創社キングは湘南探偵倶楽部の復刻本を買ってあるのだが、新訳完訳が望ましいのはもちろんである。

『フレンチ警部とチェインの謎』 F・W・クロフツ 創元推理文庫

●ジムで四か月ぶりの身体測定。結果は体脂肪が減って筋肉が増え、差し引きで体重が増えた。筋肉で太るのは問題ない。なかなかいい調子。 実際に測定したのは体重と体脂肪率である。これらの数値は日々変動しているので、今回の結果は一応の目安でしかない。…

季節もの

●今年もスーパーで蕗を見かけるようになった。筍も出回りだした。どちらも自分で惣菜に仕立てると素晴らしく旨いのだが、そのためにはどちらも素晴らしく面倒臭い作業が必要である。気力次第で、取り組んでみる。こういう季節ものにはせいぜい手を出しておき…

『レティシア・カーベリーの事件簿』 M・R・ラインハート 論創社

●『レティシア・カーベリーの事件簿』 M・R・ラインハート 論創社 読了。 「シャンデリアに吊された遺体」これは厳しい。発端もその後の展開もやたらに派手だし、一見推理の基となりそうな手がかりも多い。だが、肝心の犯人は(伏字)し、真相は(伏字)判…

『新・本格推理02』 二階堂黎人編 光文社文庫

●先月末に読み残していた『新・本格推理02』 二階堂黎人編 光文社文庫 を読了。 このシリーズは、すくなくとも鮎川哲也監修の文字が入っている第三巻までは読むつもりである。楽しめたのは後藤紀子「恐怖時代の一事件」、愛理修「月の兎」、宇田俊吾/春永…

『霧の中の館』 A・K・グリーン 論創社

●『霧の中の館』 A・K・グリーン 論創社 読了。 十四年前に東都書房版で読んだ「リーヴェンワース事件」は、冗長な描写と回りくどい会話とで、読むのがなかなかしんどかった記憶がある。ところが本書に収録されている作品は、短いこともあってか捻りと切れ…