2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
●取り寄せを依頼していた本を書店で受け取ってきた。『ジゴマ 上』 L・サジ 国書刊行会『ジゴマ 下』 L・サジ 国書刊行会「ベル・エポック怪人叢書」だと。こりゃまた魅力的な叢書が始まったものである。 ●今月の総括。買った本:九冊読んだ本:十一冊 ●今…
●今日から上中下三巻本の長編を読み始めた。私のペースだと読了までに一週間はかかるだろう。という訳で、読了日記は来週半ばまで更新しない。
●『ドイル全集 第五巻』 改造社 読了。 「改造社の『ドイル全集』を読む」プロジェクトの第二十六回として、第五巻で最後に残っていた「ラフルズ・ホー行状記」を読んだ。訳者は石田幸太郎である。 田舎に広大な地所を買い豪邸を建てて引っ越してきた大富豪…
●『第三の女』A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 老人小説である。最近の若い者はけしからんという視点が、物語全体を取り巻いている。クリスティーはどこまで自覚的に、老人のありふれた愚痴を繰り返し書き込んだのだろうか。 ミステリとしては一風…
●『時間の習俗』 松本清張 新潮文庫 読了。 容疑者の鉄壁のアリバイに、三原警部補が挑む。一点だけ、どうしても気になる設定がある。そもそものスタート地点に、合理的な根拠がないのだ。なんとなく引っ掛かるというだけで、警部補は執拗な追求を始める。な…
●『ランドルフ・メイスンと7つの罪』 M・D・ポースト 長崎出版 読了。 法の抜け穴を探り、犯罪すれすれのところで依頼人の問題を解決する悪徳弁護士ランドルフ・メイスンのシリーズである。メイスンは、法律の条文を厳密に解釈することで問題を解決する。…
●『都市の迷宮』 鮎川哲也/島田荘司編 立風書房 読了。 「ミステリーの愉しみ」の第四巻である。実にどうも粒揃いの、上出来なアンソロジーであった。以下、いくつか気に入った作品にコメントを付けておく。 気の利いたダイイング・メッセージと着地点の捻…
●『ペトロフ事件』 鮎川哲也 講談社大衆文学館 読了。 読んだタイミングがちょうどよかったと思える本が時折ある。本書もその一例で、鮎川哲也の長編をほとんど読んでだいたいの味わいを知ったつもりになっていた今だからこそ、この着地点は意外だった。また…
●『笑ってジグソー、殺してパズル』 平石貴樹 集英社 読了。 冒頭に読者への挑戦が挿入されている。全四章のうち第三章の終わりまでで必要なデータが出揃うという。こうなると自ずと期待値も高まろうというものだ。で、読了後の結論としては、納得はするが満…
●『列車探偵ハル』 M・G・レナード&S・セッジマン ハヤカワ・ジュニア・ミステリ 読了。 「王室列車の宝石どろぼうを追え!」という副題が付いている。実にどうも、ちゃんとしたミステリであった。伏線があって捻りがあって、レッド・へリングがあって謎…
●『ウィンストン・フラッグの幽霊』 A・R・ロング 論創社 読了。 富豪の遺産相続を巡る二人の女性間の係争が、ひとつの軸となっている。複数の遺言状、人の生死、結婚したタイミング、そういったいくつもの要素がからまりもつれあって、仮定と場合分けの迷…
●『ケンカ鶏の秘密』 F・グルーバー 論創社 読了。 もう何冊も読んでいるので、伏線の妙だのロジックだのを期待するシリーズではないことは最初から分かっている。結末があまりにあっけないのも含めて、いつものグルーバーである。レギュラーコンビの活躍を…
●『ホッグズ・バックの怪事件』 F・W・クロフツ 創元推理文庫 読了。 居間でくつろいでいた人物が、家人がちょっと目を離した数分後には部屋着、室内履きのまま失踪した。なるほど怪事件である。捜査を担当するのはお馴染みフレンチ警部。彼は何度も何度も…