累風庵閑日録

本と日常の徒然

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

演劇博物館訪問

●早稲田の演劇博物館で、人形佐七映画のシナリオを閲覧してきた。当初の目的は、原作と比較して映画の改変具合を確認することであった。だが、結論からするとその目的は曖昧なまま未達に終わる。原作の記載がないシナリオだと、そこで語られている物語がオリ…

ホワイトコテージの殺人

●書店に寄って本を買う。『ホワイトコテージの殺人』 M・アリンガム 創元推理文庫 ●光文社文庫の山田風太郎を四割ほど読んで中断。こんな分厚く濃い本を一気読みはできない。明日からは別の本を手に取ることにする。

蓮池浄土

●雑誌『小説幻冬 6月号』に掲載された小松亜由美「蓮池浄土」を読んだ。このシリーズは、散りばめられた伏線が楽しみである。今回の(伏字)という伏線も、意味が分かった時のそういうことね、という面白さはなかなかのものであった。また、ある状況が伏線…

『ダイヤルMを廻せ!』 F・ノット 論創社

●『ダイヤルMを廻せ!』 F・ノット 論創社 読了。 久しぶりに読む、ゴキゲンな倒叙ミステリである。軽快でサスペンスに富み、切れ味もある……なんてな形容を並べるとどうも薄っぺらだけども。シナリオだから当然会話がメインで改行だらけだし、多くのページ…

『中村美与子探偵小説選』 論創社

●『中村美与子探偵小説選』 論創社 読了。 小栗虫太郎と香山滋とを足して三で割ったような。辺境趣味と奇天烈な真相とが、この作者の持ち味のようだ。特に「旅行蜘蛛」と「鴟梟の家」とは、殺人手段の突き抜けっぷりが凄まじい。その一方で、筋道立てた謎の…

ビーストンを二編

●お願いしていた本が届いた。『怪魔山脈』 西條八十 盛林堂ミステリアス文庫 ●今月から、新規の横溝プロジェクト「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」を始める。月イチで二編ずつくらい読んでいこうと思う。このプロジェクトでは、正史作品の元ネタになったかも…

横溝オフ会

●午前中は野暮用。 ●午後は少し本を読む。この日記をアップしてから、電車に乗って東京に出る。夕方から横溝系のオフ会があるのだ。総勢四人のこじんまりした会である。

『久山秀子探偵小説選III』 論創社

●『久山秀子探偵小説選III』 論創社 読了。 ちょいと惜しい作品集である。「月光の曲」は、中絶が惜しい。スピーディーな展開を楽しく読んだが、数々の謎が投げっ放しにされたままである。雷巡査山本君、転じて怒れる牡牛、山本枯松刑事の造形が愉快。 梅…

『江戸川乱歩と13人の新青年<論理派編>』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●『江戸川乱歩と13人の新青年<論理派編>』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。 編纂の基本方針が、乱歩による雑誌『新青年』のベストセレクションだそうで。収録されているのは、比較的メジャーな作家の代表作がほとんどである。そういう作品は、過…

引っ越しました

●某ブログから引っ越してきた。過去記事もまとめて移動させたのだが、リンクの不具合等があるかもしれない。あしからずご了承ください。

明日からは別の本

●論創社の久山秀子を読んでいる。つまらなくはないが、一気に読み通すのがちとしんどくなってきた。明日からは別の本を読むことにする。

空魔團

●お願いしていた本が届いた。『空魔團』 三津木春影 湘南探偵倶楽部大正三年に刊行された本の復刻版である。●去年からの宿題だった早稲田の演劇博物館訪問を、近いうちに実現させる。人形佐七映画のシナリオを読みに行くのである。そこであらためて、人形佐…

『黒岩涙香探偵小説選I』 論創社

●『黒岩涙香探偵小説選I』 論創社 読了。「無残」を読むのはたぶん三回目。過去の感想はちっとも覚えていないけれど、読んでみると意外なほど面白い。まず、髪の毛にまつわるロジックの面白さがある。「勘と経験」対「論理と推理」という構図も面白い。さら…

のりもの勝席ガイド

●書店に寄って本を買う。『のりもの勝席ガイド 2018-2019』 イカロス出版 今年も刊行時期になった。前年版はうっかり忘れていて、今年の二月なってようやく買ったけれども、本年版は早いとこ気付いてよかった。 毎年中身を覗いて思う。調布から飛ん…

『ひらいたトランプ』 A・クリスティー クリスティー文庫

●『ひらいたトランプ』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 早い段階で、四人のうちの誰かが殺したという枠組みが提示される。つまり、予想もしなかった意外な真犯人という驚きは封じられている訳だ。とはいってもそこはクリスティ、油断がならぬ。そ…

『M・R・ジェイムズ怪談全集1』 創元推理文庫

●『M・R・ジェイムズ怪談全集1』 創元推理文庫 読了。 久しぶりにきちんと読んだM・R・ジェイムズは、やはり面白い。はっきり書かないことで読者の想像を刺激し、それらを積み重ねて不穏な雰囲気を盛り上げてゆく手法は、私の好み直撃である。というよ…

牧神の影

●書店に寄って本を買う。『牧神の影』 H・マクロイ ちくま文庫『ダイヤルMを廻せ!』 F・ノット 論創社論創海外は、今月は一冊しか出ないのだろうか。

『雪割草』 横溝正史 戎光祥出版

●『雪割草』 横溝正史 戎光祥出版 読了。 主人公に襲い掛かる不幸の連続が、凄まじい密度で語られる。特に、人の悪意と我欲とが原因の不幸は、読んでいてしんどい。もうすっかり満腹である。 エピソードの多くが、どこかで読んだようなものばかりである。だ…

十か月ぶりのジム

●約十か月ぶりのジム。今日は慣らす感じで、筋トレを少々。有酸素運動は無し。ウエイトは前回の記録よりも大幅に軽くしておく。終わってからのストレッチで、体がガチガチに硬くなっていることを実感した。 明日からは、毎朝の体重と体脂肪率の計測も再開し…

『孤独の島』 E・クイーン ハヤカワ文庫

●『孤独の島』 E・クイーン ハヤカワ文庫 読了。 クイーンの名前が無ければまず手に取ることのなかった作品である。だが、実際読んでみるとこれがなかなか面白い。クイーンの名前から連想する種類の面白さではないけれども。 悪人が強奪した現金と愛娘を人…

『山本禾太郎探偵小説選II』 論創社

●『山本禾太郎探偵小説選II』 論創社 読了。 様々な作風を読ませてくれる禾太郎だが、しっくりきたのは怪談がかった作品であった。作品名を挙げると、創作篇の「二階から降りきた者」、「幽霊写真」、評論・随筆篇の「ヒヤリとした話」、「車庫」、といっ…