2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧
●今月の総括。買った本:九冊読んだ本:十冊やはり二月は短い。十一冊は読めなかった。
●「横溝正史『女シリーズ』の初出を読む」プロジェクト。今回は第五作「鏡の中の女」を読む。 初出版が三段組み十ページ、前後編それぞれ三節の構成に対し、角川文庫版は約五十ページ、前編三節、後編五節の構成である。後編第二節までは、わずかな増補があ…
●『浜尾四郎探偵小説選』 論創社 読了。 情に訴えるよりも知に訴える作風である。人間関係の様々なパターンを想定した思考実験を行い、結果をそのまま小説に仕立てたような。それぞれの作品のテーマがそれぞれに興味深い。 面白かった作品は、「正義」、「虚…
●確定申告の書類を記入した。なんじゃかんじゃあって、今年は六桁の税金が還付される。この金で一瞬懐が温かくなるから、どこか温泉旅行にでも行ってこましたろと思いそうになるが、いやいやそうじゃない。これは収入ではないのだ。マイナスがゼロになるだけ…
●午前中は野暮用。●午後は、神保町シアターで上映される横溝映画「女王蜂」を観に行こうと思っていた。ところが、だ。今は確定申告の時期である。いろいろ考えると、今日のうちに確定申告の書類を仕上げて明日の朝イチに出すのが最も都合がいい。しょうがな…
●『血染めの鍵』 E・ウォーレス 論創社 読了。 どうやらウォーレス先生、ロジック重視の犯人捜しミステリを書くつもりはさらさらないらしい。捜査に携わる警部が、密室殺人とその後に起きる事件と、両者の犯人は同一人だと断言する。その根拠は「勘」だとお…
●『ビーストン傑作集』 L・J・ビーストン 創土社 読了。 結末の意外性で勝負する作風である。途中に伏線がなく、唐突に卓袱台をひっくり返すような作品ばかりなので、ロジックの面白さには乏しい。内容どころか舞台背景の雰囲気までも似たような話が多く、…
●『妖盗S79号』 泡坂妻夫 文春文庫 読了。 そのうち読むつもりで放置していたら、最近河出文庫から復刊された。作者のアイデアと遊び心とがぎゅうぎゅうに詰まった、傑作短編集である。ところが、感想を書こうとするとこれがなかなか難しい。あー面白かっ…
●昨日コピーしてきた横溝正史「蔵の中」の初出テキストを、柏書房版と読み比べてみた。大きな違いは、「私」が姉の顛末を語った後の部分である。初出では、ひとり退屈して過ごす様子も、鏡を覗いてナルシシズムに浸る場面も、ごく断片的なものでしかない。両…
●文献系横溝マニアさんと連れ立って、総勢三人で国会図書館に行ってきた。主な目的は、近々刊行される横溝正史の小説「雪割草」を、一足お先に掲載誌で閲覧しようというものである。その他、参加者それぞれがそれぞれの課題でもって横溝関連の資料調査に臨む…
●朝から病院。三ヶ月に一度の定期通院である。●今読んでいる短編集が、どうも似たような話が多くて、飽きた!!!中断して明日からは別の本を読むことにする。
●『盗聴』 ザ・ゴードンズ 論創社 読了。 警察の捜査をリアルに描いた「警察捜査小説」だそうで。こういうスタイルのミステリは今まであまり読んでこなかったので、ちょいと新鮮である。だが途中で気付いた。これって、よくあるポリス・アクション映画のノリ…
●『平林初之輔探偵小説選II』 論創社 読了。 ネタや展開になにがしか読み所のある佳作が多く、それなりに満足。いくつか具体的に作品を挙げておくと、「夏の夜の冒険」の不気味さ、「鉄の規律」の不可能犯罪ネタ、「少年探偵 呉田博士と与一」のグロテスク…
●東京でプロレスを観てきた。生観戦はおそらく十年ぶり以上になる。どうやら地域おこしイベントとしてそこの町内会が呼んだようで、観戦料無料の昼興業である。そういう性格のイベントなので、観客の大半は親子連れだし、友達同士誘い合ってやって来たと思し…
●『バグダッドの秘密』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 主人公が行動を始める最初の動機に、どうも素直に共感できない。いくらなんでもそりゃあ……と思ってしまう。たとえば三十年ほど前、もう少し覇気がある頃にこの作品に出会えていたら、もしか…
●書店に寄って本を買う。『森下雨村探偵小説選III』 論創社『盗聴』 ザ・ゴードンズ 論創社『血染めの鍵』 E・ウォーレス 論創社『のりもの勝席ガイド 2017-2018』 イカロス出版ウォーレス『血染めの鍵』は、横溝文献の一種である。この作品で…
●『松本泰探偵小説選I』 論創社 読了。 総じて薄味。「P丘の殺人事件」、「ゆびわ」、「日陰の街」なんてな作品はストーリーの起伏で読ませるタイプのようだが、これと言ってサスペンスが胸に迫るでもなく、なんとものんびりしたものである。巻末解説を読…
●せっかくの土曜なのに、朝から病院。夏の人間ドックで引っかかって、半年後の再検査である。●『反逆者の財布』 M・アリンガム 創元推理文庫 読了。 ずいぶん変則的な展開である。冒頭、シリーズの主人公アルバート・キャンピオンが、なんと記憶喪失の状態…
●書店に寄って本を買う。『流れ船は帰らず』 笹沢佐保 創元推理文庫『タラント氏の事件簿』 C・D・キング 創元推理文庫タラント氏シリーズは単行本で読んだが、作品が追加されているというのなら買わずばなるまい。読まずばなるまい。
●『ふるえて眠れない』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。「名作で読む推理小説史」の第五巻、ホラーミステリー傑作選である。かっ飛んだ設定の作品もあってなかなか楽しめたが、その分アクも強く、読み終える頃にはすっかり満腹になってしまった。 …