累風庵閑日録

本と日常の徒然

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

今月の総括

●今月の総括。買った本:十一冊読んだ本:十三冊 上下巻のコリンズが予想外に捗って月内に読了できたので、その分プラス二冊である。

『夫と妻』 W・コリンズ 臨川書店

●『夫と妻』 W・コリンズ 臨川書店 読了。 幼少期から大親友だったふたりの女性。だが大人になった今、ふたりの境遇は大きく異なっていた。最愛の人アーノルドとの結婚を間近に控え、幸福の絶頂にあるブランチ。ちょっとした気の迷いから卑劣な男ジェフリー…

『山田風太郎新発見作品集』 出版芸術社

●『山田風太郎新発見作品集』 出版芸術社 読了。 『橘傳来記』に収録された「朝馬日記」は二ページ分欠落があったということで、それを補って本書に再収録されている。つくづく、マニアさん向けの本であるな。私はホンの上辺だけの風太郎ファンなので、おつ…

『江戸川乱歩と横溝正史』 中川右介 集英社

●『江戸川乱歩と横溝正史』 中川右介 集英社 読了。 出版社興亡史としての側面を興味深く読んだ。だが個人的は、横溝正史の評伝としての側面に最も読み応えがある。正史が様々なエッセイや日記に書いた情報を要領よく整理して、乱歩との関係を軸に再構成した…

「火星のくも人間」

●作品社の『都筑道夫創訳ミステリ集成』から、「火星のくも人間」を読んだ。感想は通読してから。年内には読了できると思う。

『殺人の代償』 H・ホイッティントン 扶桑社ミステリー

●『殺人の代償』 H・ホイッティントン 扶桑社ミステリー 読了。 浮気にのめり込んだ男が、冷え切った関係の妻を殺そうと企む。言っちゃあ悪いがありきたりの設定である。中盤までは、語り手の男が妻の殺害計画を着々と実行に移す顛末が語られる。典型好きの…

『久生十蘭ジュラネスク』 河出文庫

●『久生十蘭ジュラネスク』 河出文庫 読了。 どうにも感想を書くのが難しいので、読んだということだけを記しておく。ひとつだけ、「死亡通知」について。十蘭の凄みを凝縮したような、「水草」という傑作掌編がある。「死亡通知」はなんと、この「水草」を…

『白夫人の幻』 R・V・ヒューリック ポケミス

●『白夫人の幻』 R・V・ヒューリック ポケミス 読了。 今回狄知事が取り組むのは、次々と人が殺され直接間接に何人もが関わる派手で複雑な事件である。蒲陽の街で知事があちらこちらと関係者を訪ね、聞き込みを重ねながら事件を追ってゆく様には、私立探偵…

『やかましい遺産争族』 G・ヘイヤー 論創社

●『やかましい遺産争族』 G・ヘイヤー 論創社 読了。 とにかく登場人物達が活き活きと描かれていて大変によろしい。探偵活動に夢中になるティモシー少年、傲慢で軽率で陰険なポール、極端なほど一生懸命主人に仕えるメイドのオグルなど、人間味があふれてい…

『材木座の殺人』 鮎川哲也 双葉社

●『材木座の殺人』 鮎川哲也 双葉社 読了。 三番館シリーズの第四集である。気に入ったのは以下のようなところ。状況の不可解さが犯人に直結する「棄てられた男」、扱われる謎が魅力的な「人を呑む家」、犯人の計画がいかにもミステリ的な「同期の桜」。 個…

『死の相続』 T・ロスコー 原書房

●『死の相続』 T・ロスコー 原書房 読了。 富豪の農場主が殺され、屋敷に相続人達が呼び集められた。そこで読み上げられる奇妙な遺言状。そんな序盤の展開を読むと、ははあこの作品はこのあと相続人達が殺されてゆくのだな、と想像するだろう。確かに、方向…

『サインはヒバリ』 P・ヴェリー 論創社

●『サインはヒバリ』 P・ヴェリー 論創社 読了。 誘拐事件を主題とするジュブナイル。日本で独自に付けた副題が「パリの少年探偵団」である。ケストナー「エーミールと探偵たち」のような陽性の探偵活動劇を想像していたら、意外にも叙情的な物語であった。…

『九番目の招待客』 O・デイヴィス 国書刊行会

●『九番目の招待客』 O・デイヴィス 国書刊行会 読了。 クリスティー「そして誰もいなくなった」の先駆作であるという情報を事前に知ってしまうと、この先どうなるかの興味がやや減殺される。なるほどこの作品では閉鎖空間に集められた人々が順番に死んでい…

『幻想と怪奇2』 早川書房編集部編 ポケミス

●『幻想と怪奇2』 早川書房編集部編 ポケミス 読了。 たぶん未読だろうと思う作品のなかでは、ジョン・コリア「ビールジーなんているもんか」がベスト。ありがちなオチではあるが好みに合っている。再読ではW・W・ジェイコブズ「猿の手」が、やっぱり名作…