累風庵閑日録

本と日常の徒然

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

仙台横溝オフ

●この土日で、仙台で開催された横溝ファンのオフ会に参加してきた。 まず合流前に、多賀城の東北歴史博物館で東大寺の展示を観る。仙台に戻って第一陣と合流し、五人で鉤取の巨大古書店萬葉堂へ。夕方からのメインの飲み会は総勢七人で、二次会まで盛り上が…

殺人暦

●書店に寄って本を買う。『殺人暦』 横溝正史 柏書房『モリアーティ』 A・ホロヴィッツ 角川文庫ホロヴィッツは単行本で買うほどの興味はなかったので、文庫落ちするまで待っていた。

『橋本五郎探偵小説選I』 論創社

●『橋本五郎探偵小説選I』 論創社 読了。 巻末解説に、収録作品の傾向について書いてある。大意としては、意外性のある中間小説といったタイプの作品で、風俗小説の古びるのが早いのと同様に、再評価されることなく埋もれたままになっている、と。読んでみ…

『とむらい機関車』 大阪圭吉 創元推理文庫

●『とむらい機関車』 大阪圭吉 創元推理文庫 作品をまとめて読むのは初めて。一読驚嘆、素晴らしい傑作短編集であった。刊行当時、大いに話題になったのも頷ける。収録作中のベストは「坑鬼」である。以前何かのアンソロジーで読んだはずだが、再読でも薄れ…

『間に合わせの埋葬』 C・D・キング 論創社

●『間に合わせの埋葬』 C・D・キング 論創社 読了。 前半は退屈。主人公ロード警視の、バミューダでの休暇の模様が延々と描かれる。美しい景色を愛で、やたらと酒を飲み、綺麗な人妻やお姉さんにメロメロになって、全力で休暇を満喫するロード。まったくい…

柩の中と赤の中

●「横溝正史『女シリーズ』の初出を読む」プロジェクト。今回は第十二作「柩の中の女」を読む。 初出版と文庫版とを比較すると、両者の間にはほぼ異同無し。やはり、東京文芸社版に収録されていない作品は改稿されていないようだ。 ところで、何度も読んでい…

『葬儀屋の次の仕事』 M・アリンガム 論創社

●『葬儀屋の次の仕事』 M・アリンガム 論創社 読了。 登場人物達の奇天烈な造形を楽しむ作品である。事件は茫洋としてつかみ所が無く、アリバイや手掛かりの検討といったアプローチには乏しく、殺人の謎さえほとんど脇に追いやられてしまう。読者は主人公キ…

人間ドック

●八月の人間ドックの予約をした。ずいぶん気が早いようだが、鼻から挿す胃カメラを受診するためには今の時期から動かないといけない。

『江戸川乱歩と13の宝石』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●『江戸川乱歩と13の宝石』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。 巻末解題に、過去のアンソロジーとの重複を避けることを優先するあまり、佳作を避けて凡作を採るのは本末転倒だとある。まあ、真っ当である。おかげで、収録作の四割ほどが再読であっ…

探偵術教えます

●書店に寄って本を買う。『うっかり鉄道』 能町みね子 幻冬舎文庫『探偵術教えます』 P・ワイルド ちくま文庫ワイルドは晶文社の単行本を既読だが、追加収録の一編のために購入。鉄道ものノンフィクションは、店頭で見かけて衝動買い。基本的に衝動買いは己…

『徳冨蘆花探偵小説選』 論創社

●『徳冨蘆花探偵小説選』 論創社 読了。 なにしろ明治時代の文章である。改行がほとんどなく、大半のページにみっしり文字が詰まっている。しかも快楽亭ブラックのような口演の速記ではなく、直に書いた小説なので、よりいっそう四角四面で読み辛い。それで…

『アララテのアプルビイ』 M・イネス 河出書房新社

●『アララテのアプルビイ』 M・イネス 河出書房新社 読了。 不思議な小説である。序盤の展開も、膝の裏をカックンとされるような中盤も、登場人物達も、なんとも奇妙。事件そのものも一筋縄ではいかない。殺人の謎よりも、今ここで何が起きているかの方に重…

つまみ食いが増える

●論創ミステリ叢書の徳冨蘆花を読んでいる。つまらなくはないが、明治時代の小説集を一気に通読するのはしんどすぎる。今日までで中断して、明日からは別の本を手に取ることにする。快楽亭ブラックの中断に加え、またしてもつまみ食いの本が増えてしまうが、…

葬儀屋の次の仕事

●書店に寄って本を買う。『加納一朗探偵小説選』 論創社『葬儀屋の次の仕事』 M・アリンガム 論創社『間に合わせの埋葬』 C・D・キング 論創社『挿絵叢書(6) 茂田井武(一)』 皓星社このところの論創社は、なかなかいい値段である。この先いつまで付…

『久山秀子探偵小説選I』 論創社

●『久山秀子探偵小説選I』 論創社 読了。 どうやら久山秀子って、才知に長けて器用な人だったようだ。その作品は多彩で軽快。会話も面白い。シリーズ主人公は女掏摸隼お秀だが、彼女が語り手を務める作品だけではなく、妹分が語る作品や保護者格の私立探偵…

『新 顎十郎捕物帳』 都筑道夫 講談社文庫

●『新 顎十郎捕物帳』 都筑道夫 講談社文庫 読了。 結末で新たな情報が次から次へと飛び出し、事件が一から十まで再構築されるという、いかにも都筑流の展開がいくつかの作品で見られる。どうもそういうのは、私の好みではない。だがそれはそれとして、全般…

『三十棺桶島』 M・ルブラン 偕成社

●『三十棺桶島』 M・ルブラン 偕成社 読了。 予想外にインパクトのある物語であった。よくあるスリラーかと思っていたら、なかなかそうではない。地下に潜む「やつら」が生贄を要求するといったホラーの味わいもある。姿を見せない敵から矢や投げ斧によって…