累風庵閑日録

本と日常の徒然

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ゼロ

●今月の総括。買った本:ゼロ(!)読んだ本:十冊 珍しいこともあるもんだ。 ●昨日まで読んでいたちくま文庫の明治探偵冒険小説集を、半分ほどで中断。感想は全部読んでから。今日から別の本を読んでいる。

『運命の裏木戸』 A・クリスティー クリスティー文庫

●『運命の裏木戸』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 老夫婦の日常にちょいとサスペンス風味を利かせた、といった物語。オープニングが素晴らしい。本棚を眺めながらのタペンスの回想は、幼少期から本が好きだった者にとってはぐっとくるものがある…

『本田緒生探偵小説選I』 論創社

●『本田緒生探偵小説選I』 論創社 読了。 長くても十ページほどの掌編が多く、各作品さっくり読み終わってしまう。「美の誘惑」はネタ元があからさまに某海外作品だが、換骨奪胎が上手くいってるし、きっちり伏線があるのが嬉しい。捕物「夜桜お絹」は、時…

細切れに読む

●昨日と今日とで、学研M文庫の芥川龍之介を二百ページほど読んだ。なにしろ八百ページ近い大部の代物なので、到底一気には通読できない。残りは来月に回すことにする。感想は読了してから。

『新羽精之探偵小説選I』 論創社

●『新羽精之探偵小説選I』 論創社 読了。 この叢書であまり出くわさないタイプの作品集であった。伏線の効いたオーソドックスなミステリ、ブラックな味のサスペンス、時代ミステリなど作風のバラエティが豊かで、途中で飽きず読了後の満足度も高い。 「進化…

『ケイティ殺人事件』 M・ギルバート 集英社

●『ケイティ殺人事件』 M・ギルバート 集英社 読了。 イギリス中南部の田舎町で、超一流のスター、ケイティが殺された。警察は必死の捜査を開始する。なんとまあ地味なことか。もともとこういうタイプの、足の捜査を描くミステリは好みなので面白く読めた。…

「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」第十九回

●横溝プロジェクト「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」の第十九回をやる。今回は、博文館世界探偵小説全集第六巻『ヒユウム集』に併録の七編のなかから、読み残していた四編を読む。 ◆イリス・パーカア・バトラア「アモス・ホプストン」 殺し合いを続けている…

『丘美丈二郎探偵小説選I』 論創社

●『丘美丈二郎探偵小説選I』 論創社 読了。 ものすごく久しぶりにSFを読んだ。SFというより、古い呼称である空想科学小説の方がしっくりくる。その記述は、化学、数学、天文学、電磁気学、量子論に相対論、原子核物理から果ては生理学に及ぶ。まさに科…

『名探偵と鉄旅』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●『名探偵と鉄旅』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。 短編にしては長めの作品が多くて、その点で読み応えはあった。気に入ったのは天城一「急行«あがの»」と、加賀美雅之「鉄路に消えた断頭吏」の二作品。前者はちょっとした記述の意味が分かると、…

『キングとジョーカー』 P・ディキンスン サンリオSF文庫

●『キングとジョーカー』 P・ディキンスン サンリオSF文庫 読了。 中盤までは、架空の英国王室を舞台にしたホームドラマ。一応、何者かがいたずらを繰り返すという小事件は最初から起きているのだが、扱いは軽い。主人公格であるルイーズ王女の視点で、日…

『細い赤い糸』 飛鳥高 講談社文庫

●『細い赤い糸』 飛鳥高 講談社文庫 読了。 論創社から近日復刊と聞いて、いい機会だから読んでみた。なるほど、こりゃあ傑作である。構成で読ませるタイプなので、中身については何も書かないけれども。裏表紙の粗筋を読まず一切の事前情報を遮断して手に取…

『坪田宏探偵小説選』 論創社

●『坪田宏探偵小説選』 論創社 読了。 地味で堅実な作風が好ましい。時に探偵実話風の無味乾燥さが読むのにしんどい面もあるけれど。結論として、途中飽きずに面白く読めた。 「歯」は、遺留品に関するふたつの趣向と題名にある歯の扱いと、以上三点の読み所…

『新宝島』 江戸川乱歩 光文社文庫

●大晦日。独り部屋にこもって年を越すのが嫌だったので、例年通り今年も一泊で出かけることにした。独りビジネスホテルに泊まって年を越すのである。今回は神奈川県の橋本に泊まる。この街を選んだのは海老名から移動するのに手頃だというだけの理由で、用事…