2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧
●今月の総括。買った本:九冊読んだ本:十冊 下旬までは快調に読めていたのだが、ドイルにてこずったせいで予定以上の冊数にはならなかった。 ●書店に出かけて本を買う。『レオ・ブルース短編全集』 L・ブルース 扶桑社ミステリー
●『ブランディングズ城のスカラベ騒動』 P・G・ウッドハウス 論創社 読了。 ウッドハウスはどれを読んでも構成が驚異的である。個性的な人々が、複雑に影響しあって物語を紡いでゆく。いくらなんでもそんな偶然、なんてツッコミは野暮である。登場人物の性…
●「改造社の『ドイル全集』を読む」プロジェクトの第二十三回として、第五巻から長編「霧の世界」を読んだ。訳者は横溝正史である。実際はただの名義貸しらしいが。 いやはや、これはしんどかった。内容を一言で表すなら、交霊術は本物だった! 作者の力点が…
●『シャーロック・ホームズ秘聞』 長沼弘毅 文藝春秋 読了。 残念ながら今回はどうも低調であった。世界各地のシャーロキアン達との交流を記した章は微笑ましくはあるけれども、私の興味からはやや外れていた。私がホームズ雑学本に求めるのは、作品を深く理…
●『NかMか』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 枠組みは単純である。作中の時期は第二次大戦中。海辺の保養地にある「無憂荘」に、ドイツのスパイ組織の重要人物が潜り込んでいるらしい。下宿人として「無憂荘」に滞在し、敵の正体を暴け! 作中…
●『サファリ殺人事件』 E・ハクスリー 長崎出版 読了。 東アフリカの架空の国に遠征に行った狩猟隊のキャンプで殺人が起きる。舞台の特異さが面白い。人を殺すのは殺人犯だけではないのだ。象、サイ、ライオン、バッファローによっても、人は命を失う恐れが…
●『米・百姓・天皇』 網野善彦/石井進 ちくま学芸文庫 読了。 ふたりの歴史学者の対談集である。他の本や論文の内容を前提に語られている部分が多々あって、それを知らない私には荷が重い。どこまで理解できたか覚束ないが、素人が上辺だけをなぞる読み方で…
●『猫のミステリー』 鮎川哲也編 河出文庫 読了。 題名の通り、猫がテーマのミステリアンソロジーである。登場人物の幼稚さと浅薄さとをまざまざと描き出す南部樹未子「愛の記憶」。人が変わってしまった夫に対する妻の不安と恐れとをねっとりと描く角田喜久…
●徳島県南部、鉄道路線の突端にある阿佐海岸鉄道で、DMV(Dual Mode Vehicle)に乗ってきた。世界初の道路・鉄道両用車という珍奇な乗り物である。 道路を走っている間は、要するにマイクロバスである。鉄道との結節点に差し掛かると、車体下部から鉄道用…
●『夜鳥』 M・ルヴェル 創元推理文庫 読了。 ルヴェルを読むのは初めてである。残酷だとか恐怖だとかという評をちょいちょい見かけていたのだが、なるほどこういう味か。個別の作品に対するコメントは省略するが、全体私の好みに合っていた。最後にひと捻り…
●『鬼の末裔』 三橋一夫 出版芸術社 読了。 「不思議小説集成」の第二巻である。特に気に入ったのは、不気味さが際立つ以下の三編、「殺されるのは嫌だ」、「白鷺魔女」、「蛇恋」と、物事に執着してしまった人間の愚かさ哀れさ恐ろしさが際立つ「怪獣YUM…
●『編集者を殺せ』 R・スタウト ポケミス 読了。 出版社の編集者が殺された。犯人はどうやら、以前会社に原稿を送ってきて出版を打診した人物らしい。名前は分かっているが、本名かペンネームかは不明だし、素性も現住所も連絡先も不明。編集者は、その原稿…
●『水晶の栓』 M・ルブラン ハヤカワ文庫 読了。 四十年ほど昔、あかね書房の少年少女世界推理文学全集で初めて読んだ。以来幾星霜、今回初めて大人向けの訳で読んでみた。するとどうだ、これがもう面白いのなんの。あの頃どうもピンとこなかったのは、ごり…