累風庵閑日録

本と日常の徒然

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『跡形なく沈む』 D・M・ディヴァイン 創元推理文庫

●『跡形なく沈む』 D・M・ディヴァイン 創元推理文庫 読了。 犯人探しミステリとしては、残念ながら十分な満足は得られなかった。探偵役が犯人に疑念を抱くきっかけがあまりに些細、あまりに微妙だってえのはむしろ私の好物で、どんとこいである。だがそれ…

『新青年傑作選 第四巻 翻訳編』 立風書房

●『新青年傑作選 第四巻 翻訳編』 立風書房 読了。 なにしろ傑作選なのだから、収録作は他のアンソロジーやなんかに採られているものが少なくない。既読が多かったけれども、それはそれ。気に入ったのは以下のようなところ。 カミ「ルウフォック・ホルメスの…

『奇妙な捕虜』 M・ホーム 論創社

●『奇妙な捕虜』 M・ホーム 論創社 読了。 最初の舞台は第二次大戦末期の、イギリス軍の捕虜収容所である。題名にある奇妙な捕虜は、どこといって特徴が無いにもかかわらず不思議な存在感を発揮しているという。どうやら少しばかり精神を病んでいるらしい。…

奇怪な銃弾

●翻訳ミステリアンソロジーを、半分まで読んで中断。感想は通読してから。 ●注文していた本が届いた。『奇怪な銃弾』 佐川春風 ヒラヤマ探偵文庫JAPAN

『名月一夜狂言』 横溝正史 創元推理文庫

●『名月一夜狂言』 横溝正史 創元推理文庫 読了。 人形佐七シリーズの中から、本格ミステリの要素に注目して作品を選んだ傑作集。必要があってメモを取りながら読んだ。そうしないと、読んだ傍から内容を忘れてしまう。全体を覚えておくためのメモなのだから…

『ハイド氏の奇妙な犯罪』 J=P・ノーグレット 創元推理文庫

●『ハイド氏の奇妙な犯罪』 J=P・ノーグレット 創元推理文庫 読了。 「ジキルとハイド」と、ホームズもの「四つの署名」とを融合させたパスティシュ。実はハイドは「四つの署名」事件にも関わっていた、という趣向をハイドの視点で語る。どちらかの素材に…

『黄色いアイリス』 A・クリスティー ハヤカワ文庫

●『黄色いアイリス』 A・クリスティー ハヤカワ文庫 読了。 クリスティー文庫創刊前に買って長らく積ん読だったものを、ようやく読んだ。なかなかに楽しい短編集であった。ほとんどの収録作に、ちょっとした伏線、ロジック、意外性が盛り込まれており、実に…

『ヴォスパー号の遭難』 F・W・クロフツ ハヤカワ文庫

●『ヴォスパー号の遭難』 F・W・クロフツ ハヤカワ文庫 読了。 原因不明の爆発で沈没したヴォスパー号。どうやら保険金搾取の犯罪らしい。フレンチ警部が丹念に、緻密に、堅実に一歩一歩捜査を進めてゆく。だが、証拠も動機も具体的な犯行手順も、まるで分…

『レザー・デュークの秘密』 F・グルーバー 論創社

●『レザー・デュークの秘密』 F・グルーバー 論創社 読了。 ミステリの形式を整えるためについでに付け加えたような真相解明シーンを含め、いつものジョニー&サムシリーズの味わいである。グルーバーの筆先に流されながら、彼らの軽快かつしたたかな活躍を…

『幽霊通信』 都筑道夫 本の雑誌社

●『幽霊通信』 都筑道夫 本の雑誌社 読了。 少年小説コレクションの第一巻である。今年からこのシリーズを読んでゆく。「ゆうれい通信」は、十二編で構成される短編集。それぞれが十ページにも満たない小品だし子供向けだしで驚くほどの読み応えはないが、面…

『贖いの血』 M・ヘッド 論創社

●『贖いの血』 M・ヘッド 論創社 読了。 登場人物の個性の魅力で読み進めた。嫌な奴がきちんと憎たらしく描かれていると、ページが捗る。結末の、犯人の指摘に至る道筋はそれまでの多くの伏線を拾っていて満足。死体発見時の描写がちょいと鮮烈で、全体が穏…

『ブランディングズ城の救世主』 P・G・ウッドハウス 論創社

●『ブランディングズ城の救世主』 P・G・ウッドハウス 論創社 読了。 今まで読んできたウッドハウスと同じ、あの味わいあの面白さである。複雑に絡まりあった大量の要素をきちんと収束させる構成力にほとほと感心する。言いたいことは以上二点に尽きる。

『劇場の迷子』 戸板康二 創元推理文庫

●一夜明ければ新玉の春でございます。本年もよろしくお願い申し上げます。 ●『劇場の迷子』 戸板康二 創元推理文庫 読了。 一編一編慈しむように、六日間かけてゆっくり読んでいった。人の心の機微を描いて滋味横溢。全く素晴らしい。べた褒めしておく。幕切…