累風庵閑日録

本と日常の徒然

『殺人者の湿地』 A・ガーヴ 論創社

●『殺人者の湿地』 A・ガーヴ 論創社 読了。

 初ガーヴである。薄くてさっと読める、ちょっとした良作。第一部を読んだ段階で、迫りくる警察の捜査に殺人者が怯えるありきたりのサスペンスかと思ったら、そうではない。主人公ハントの造形と終盤の盛り上がりとが読み所だが、実は警察の捜査を描く第二部が最も読み応えがあった。いわゆるサスペンス小説の味よりもこの辺りの、地道に事件を追ってゆく味の方が好みに合っている。真相の捻りは面白いし、真相が判明するきっかけとなった些細な手掛かりも面白い。

●ついうっかり十日もジムをサボってしまった。久しぶりにみっちり筋トレをしたので、明日はきっと筋肉痛だ。