●文献のコピーを依頼した国会図書館から問い合わせ。
依頼文献は占領期のものなので、検閲関連の文書が付随しているが、それもコピーするか?
⇒本文が読めればいいのでその部分は不要と回答した。
もう一点、雑誌「新青年」掲載分の依頼文献はマイクロフィッシュからのコピーになり、喉の部分が欠けて読めない箇所があるが作業を進めていいか?
⇒問題ないのでそのままコピーしていただきたいと回答。
●こう回答して電話を切った直後に後悔した。「新青年」のコピーはキャンセルすべきであった。一瞬の判断を間違えた。読めない文献を手に入れてもしょうがないではないか。対応策として、直ちに三康図書館に同じ文献のコピーを依頼した。
●先週金曜の日記に書いた、とある横溝系同人誌とは、神保町横溝倶楽部が発行した『金田一耕助自由研究 Vol.4』である。実は寄稿者特権で一週間前には手に入れていたのだが、一般販売前なので黙っていた。内容は「特集 八つ墓村」をメインに、横溝作品に関する研究、考察、コラムが満載。
今回最大の目玉が、六島京氏の「落武者は外界の夢を見る ~屍蝋化を主とした『八つ墓村』法医学的考察~」である。なにしろ現職法医解剖技官の投稿なのだから、内容がずば抜けている。そんじょそこらの一般人では、決して経験できない事柄なのだ。
これを別格として、その他で最も感心したのがミキヨシアキ氏の「八つ墓村鍾乳洞考」であった。文章の背後に、日本各地の鍾乳洞に関する知識と経験の膨大な蓄積がうかがえる。たまたま直接存じ上げているのだが、こんな人だったのか、という驚きがある。
私の寄稿は、ええと、まあ、宣伝するようなものではない。