累風庵閑日録

本と日常の徒然

『サイモン・アークの事件簿III』 E・D・ホック 創元推理文庫

●『サイモン・アークの事件簿III』 E・D・ホック 創元推理文庫 読了。

 ぐっと来たポイント別に、気に入った作品を挙げておく。真相に至るロジックの積み重ねが嬉しいのは「海の美人妖術師」。謎の設定が魅力的なのは「過去から飛んできたナイフ」、「黄泉の国への早道」。「ツェルファル城から消えた囚人」は謎が魅力的なのも美点であるが、物語背景と密接にからまった真相も凝っている。

 伏線が最も秀逸だったのは「ヴァレンタインの娘たち」であった。犯人の嘘が判明するに至る伏線の数々も面白いが、とあるあからさまな伏線に気付かなかったのは脱帽である。

「罪人に突き刺さった剣」は、(伏字)が犯人ではない理由も、真犯人の犯行が可能だった理由も、どちらもちょいと感心した。

●お願いしていた本が届いた。
『戦前『犯罪公論』小説傑作選』 噴飯文庫
『Re-ClaM Vol.3』

 他に現在注文中の本が二冊、来月中旬から年末にかけて刊行される本・冊子の予約注文が五冊ある。活動が盛んで喜ばしいことである。

●某方面から、大変貴重な資料をいただいた。素晴らしい。差し障りがあるのでこの件はこれだけ。