累風庵閑日録

本と日常の徒然

『踊る白馬の秘密』 M・スチュアート 論創社

●『踊る白馬の秘密』 M・スチュアート 論創社 読了。

 動物ミステリという括りがあるだろう。犬ミステリだとか猫ミステリだとか。本書は馬ミステリの佳品である。中盤で、テーマが明確になってくるシーンにぐっとくる。

 展開は、ジュブナイルのサスペンスを成人女性の視点で語ったような。副主人公格で活き活きと描かれている少年の視点で語ったとしても、成立すると思う。事件そのものが、えっこれだけ? と思うほどあっさりして型通りなのもジュブナイルらしい。私の好みから遠い、愛しいダーリンとの惚れたハレたが少なくてずいぶんと読みやすい。

 巻末解説によると海外での評価が高いようだが、一読してなるほどと頷ける。万人受けしないような尖がって強烈な魅力は無いが、同時につまらない部分も中だるみも無い。

●書店に寄って本を買う。
『黒魔王』 高木彬光 論創社

●お願いしていた本が届いた。
『F・W・クロフツ単行本未収録作品集』 黒仏文庫