●年内最終更新である。今年は社会的には大変な波乱の年であったが、個人的にはさしたる影響もなく、むしろ電車通勤が減って楽になったほどである。
飲みにも行かず旅行にも行かなかったので、生活のコストが大幅に下がった。金を使った対象は、生活必需品と本とがほぼすべてである。経済を回すなんて営みは、一握りの富裕層にお任せする。
●秋ごろまでは自宅で真面目に筋トレをしていたのだが、それ以降すっかりサボり癖が付いてしまった。体重は目標プラス一キロで定着。たかが一キロと言いたいところだが、この一キロが減らんのだよ。
●本に関しては、
買った本:百十三冊
読んだ本:百二十八冊
積ん読が十五冊減ったわけだ。個人的には、論創ミステリ叢書を百巻まで読めたのが大きなトピックである。
●読んだ本の中から特に面白かったもの、記憶に残ったものを挙げておく。順位もコメントも無し。
・『キングとジョーカー』 P・ディキンスン サンリオSF文庫
・『わが子は殺人者』 P・クェンティン 創元推理文庫
・『蜘蛛と蠅』 F・W・クロフツ 創元推理文庫
・『サンキュー、ジーヴス』 P・G・ウッドハウス 国書刊行会
・『ポジオリ教授の事件簿』 T・S・ストリブリング 翔泳社
・『トム・ソーヤーの探偵・探検』 M・トゥエイン 新潮文庫
・『真紅の腕』 アワースラー他 アルス・ポピュラア―・ライブラリー
・『知られたくなかった男』 C・ウィッティング 論創社
・『悔恨の日』 C・デクスター ハヤカワ文庫
・『ブラック・マネー』 R・マクドナルド ハヤカワ文庫
・『約束』 F・デュレンマット ハヤカワ文庫
・『金庫と老婆』 P・クェンティン ポケミス
・『最後の一壜』 S・エリン ポケミス
・『五匹の子豚』 A・クリスティー クリスティー文庫
・『細い赤い糸』 飛鳥高 講談社文庫
・『七十五羽の烏』 都筑道夫 光文社文庫
・『仮名手本殺人事件』 稲羽白菟 原書房
・『忍法創世記』 山田風太郎 出版芸術社
・『子供たちの探偵簿 1朝の巻』 二木悦子 出版芸術社
・『丘美丈二郎探偵小説選I』 論創社
・『千葉淳平探偵小説選』 論創社
・『竹村直伸探偵小説選I』 論創社
・『藤井礼子探偵小説選』 論創社
・『飛鳥高探偵小説選III』 論創社
・『横溝正史探偵小説選IV』 論創社
・『横溝正史探偵小説選V』 論創社
例外として論創社の横溝正史にだけコメントを付けておくと、『~IV』のジュブナイル時代小説「しらぬ火秘帖」は「神変稲妻車」のような味わいの超快作。途中途中がすべてハチャメチャに面白いので、未完であることがあまり気にならない。『~V』の「探偵小僧」は他愛ないジュブナイルだが、収録されている松野一夫の挿絵が凄い。
●今年も横溝関連のトピックが多くて幸せなことであった。春陽堂の人形佐七は順調に刊行を続けているし、誠文堂新光社『金田一耕助語辞典』の刊行も大変な快挙である。
横溝ファンによるオンライン飲み会が定期的に開催されるようになったし、オンライン読書会も四回開催された。こんな滅茶苦茶な状況だけれども、それならそれで楽しみ様はあるのだ。