累風庵閑日録

本と日常の徒然

『ブランディングズ城のスカラベ騒動』 P・G・ウッドハウス 論創社

●『ブランディングズ城のスカラベ騒動』 P・G・ウッドハウス 論創社 読了。

 ウッドハウスはどれを読んでも構成が驚異的である。個性的な人々が、複雑に影響しあって物語を紡いでゆく。いくらなんでもそんな偶然、なんてツッコミは野暮である。登場人物の性格も言動も、大小さまざまな出来事も、全てが物語の部品として緊密な連携のもとで活用されている。このエピソードはここで効いてくるのか、こういうところにつながるのかと、感心することしきりである。

 本筋から外れるが、主人公のミステリ作家アッシュが書くところの、あり得ない偶然の連続に助けられて謎を解く「捜査官グリドリー・クエイルの冒険」シリーズを読んでみたくなる。ウッドハウスならきっと、偶然が複雑に絡んで全体が形作られるコメディミステリを書けたことだろう。

●二週間前、パソコンを買い替えた。面倒くさくてしばらく放置してから、重い腰を上げてセットアップし、データを移し、旧パソコンのHDDの中身を全消去するところまでやった。

 この日記は新パソコンで書いている。メモリーを増やしたこともあって大変快適に動く。電源を入れてからの立ち上がりも、感激するほど速い。今までどれほど無駄なストレスを感じていたことか、ようやく分かった。一念発起して(誇張表現)買い替えてよかった。