累風庵閑日録

本と日常の徒然

『貸しボート十三号』 横溝正史 角川文庫

●『貸しボート十三号』 横溝正史 角川文庫 読了。

 表題作を読んで、これでこの一冊を読み終えた。読書会向けにメモを取るような読み方をするとやけに時間がかかる。この作品は、原形となった短編を発表の翌年に改稿・長編化したものである。大幅な加筆によって、力点が事件そのものから事件を巡る若者達の群像劇へと移り、物語的興味が大いに増している。それに比べたら原形短編はあまりにもあっけなく、まるで習作のようにすら思える。と、簡単に記したところでこの項目は終わり。これ以上の内容や感想は読書会当日のレポートに書く。

●これから、読書会の副読本であるアンソニーアボット「世紀の犯罪」に取り掛かる。この作品は過去に二度読んでいるので、今回はきちんと通読はしない。細部を思い出すことを目的として、隙間時間にぱらぱらと流し読みする。メインで読みたい本は他にあるのだ。