累風庵閑日録

本と日常の徒然

『グリンドルの悪夢』 P・クェンティン 原書房

●『グリンドルの悪夢』 P・クェンティン 原書房 読了。

 グリンドルの村で少女が失踪し、その父親は死体で発見された。同時並行して、ペットや家畜が連れ去られて惨殺される事件が頻々として発生する。正体不明の殺人鬼の跳梁で、村は題名の通り悪夢のような恐慌状態となる。

 特異な犯人設定、意外な真相、そして物語を引き締める(伏字)、と揃ってご機嫌な作品であった。巻末解説で強調されているように、誰が探偵役か分からないというのも面白い趣向である。