累風庵閑日録

本と日常の徒然

『ミステリー・マイル』 M・アリンガム ROM叢書

●『ミステリー・マイル』 M・アリンガム ROM叢書 読了。

 巻末のあとがきにある通り、本格風味のサスペンス物、あるいは謎のある冒険小説である。ロジックやトリックへの過度な期待をしない限り十分に楽しめる。そもそもが期待する作品ではないのだ。正体不明の犯罪組織のボスがいて、その正体につながる手掛かりを持っている老判事がいる。主人公アルバート・キャンピオンが、判事の命を狙う組織を向こうに回して闘う物語である。アクションシーンも含め起伏が大きく、すいすい読める。キャンピオンと彼の執事ラッグとの掛け合いも魅力的。