累風庵閑日録

本と日常の徒然

「人形佐七捕物帖 闇に笑う鉄仮面」

●映画「人形佐七捕物帖 闇に笑う鉄仮面」を観た。南蛮諸道具扱いの内海屋が売り出した簪が大評判。あまりの売れ行きに追加の品を取りに行った番頭が、土蔵内で殺された。重量のある西洋の長剣で串刺しという、異様な殺し方である。当時正体不明の浪人が付近をうろうろしていたが、殺人との関連は不明。また評判の簪には、抜荷で手に入れた御禁制の品ではないかとの疑いがかけられており、奉行所が内々で調査をしているのであった。

 仇打ちと抜荷と過去の因縁とが絡み合い、一本調子でないストーリーはちょいと拾いものであった。横溝正史原作としてあるが、原作小説があるのかどうか判然としない。それどころか扱われている要素からして、どうやらホームズもの「ブラック・ピーター」をヒントにしているのではないかと思われるのだが。