累風庵閑日録

本と日常の徒然

『第四の扉』 P・アルテ ポケミス

●『第四の扉』 P・アルテ ポケミス 読了。

 不可能興味やオカルト趣味てんこ盛りで、なんともにぎやか。読んでいる間は面白かったのだが、読了後の結論としてはどうも厳しい。真相には多くの要素が盛り込まれている。すなわち(伏字)。これらのどれを取っても私の好みから外れているのだ。そりゃあないよ、と思う。思い切って派手な事件を決着させるためには、どうしても無理矢理の力尽くになってしまうのであろう。

 ただ、密室のアイデアは気に入った。作品全体に関わる設定も意欲的で、この点も感心した。ポール・アルテをたった一作で判断するのは早すぎる。もう少し追いかけてみようと思う。