累風庵閑日録

本と日常の徒然

『完全犯罪大百科(上)』 E・クイーン編 創元推理文庫

●『完全犯罪大百科(上)』 E・クイーン編 創元推理文庫 読了。

 収録されているのは十九世紀末から前世紀半ばまでの作品だし、扱われている犯罪は殺人が少なく泥棒や詐欺が多いしで、全体的に素朴で長閑な味わいである。たまにはこういうのもいい。

 特に面白かったのは次の二作。殺人手段の着想に感心したドロシー・L・セイヤーズ「血の犠牲」と、パロディ風味のアーノルド・ベネット「殺人!」である。収録作中で先の展開が最も気になったのはジョージ・ランドルフ・チェスター「強力無比坐骨神経痛剤製薬会社」であった。

 明日からは別の本を読むことにして、下巻を読むのは先送りする。

●書店に寄って本を買う。
竜神君の冒険』 川野京輔 論創社