累風庵閑日録

本と日常の徒然

『隠密飛竜剣』 高木彬光 桃源社

●『隠密飛竜剣』 高木彬光 桃源社 読了。

 柳生十兵衛が隠密となって江戸から西国へ向かって旅する道中で、様々な事件に遭遇する連作短編集。面白かったのは、ストーリーが単純でなかったり闘いの場面が割ときちんと書かれていたりの点で、次のようなところ。「仇討女夫旅」、「くずれ隠密」、「針を吹く女」、「薩摩の密使」。だが全体として、さっと読んでさっと忘れてしまえばいい娯楽作であった。

●書店に寄って本を買う。
『等々力座殺人事件』 戸板康二 河出文庫
 去年から来年にかけて、創元推理文庫の中村雅楽探偵全集全五巻を通読する予定で、残りはあと二冊である。本編はそっちで読めるのだ。河出文庫はボーナストラックである原形版「車引殺人事件」のために買った。